米大リーグ挑戦の佐々木朗希、「条件」よりも「夢」選択 潜在能力は随一も課題山積
ロッテの佐々木朗希投手(23)を巡り、球団がポスティングシステムによる米大リーグ移籍へ向けた手続きを開始すると9日に発表した。23歳で米大リーグに挑戦した大谷翔平(ドジャース)と同じ年齢でマイナー契約からのスタートとなるが、多額の報酬が見込める条件面よりも、20代前半の早い段階でメジャーに挑戦したい「夢」を重視した。 佐々木朗に対しては、岩手・大船渡高時代からメジャーの各球団が注目。昨年出場したワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも、右腕に熱い視線が注がれた。佐々木自身も今年1月の契約更改の際に「将来的に米大リーグへ挑戦したい思いはある」と語っている。 ポスティングの容認を受け、佐々木は球団を通じて「入団してからこれまで継続的に将来的なMLB挑戦について耳を傾けていただき、今回こうして正式にポスティングを許可していただいた球団には感謝しかありません」とコメントしているが、球団も佐々木の夢を後押しした格好だ。 ただ、課題は山積している。今季10勝を挙げたとはいえ、1年間を通じて先発ローテーションを投げた経験がなく、ロッテでは故障も多かった。米大リーグは中4日での先発ローテーションを採用している球団が多いだけに、体力面での不安はぬぐえない。 それでも、「マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」とコメントしているように、160キロ前後の直球、落差の大きいフォークボールを駆使するなど、潜在能力の高さは米大リーグの中でも随一。23歳という若さもメジャー球団にとっては魅力の一つだ。「世界一の先発投手」の目標に向け、大リーグの環境に順応することが求められる。(浅野英介)