【クラシック オブ ザ デイ】ポルシェとメルセデスが共同開発した「メルセデス・ベンツ 500E」は異彩を放つ名車だ!
メルセデス・ベンツ 500E(W124):90年代のメルセデスの大ヒット作。
ポルシェとメルセデスが共同開発し、メルセデスSL(R129)の5リッターV8を搭載した500Eは、異彩を放つ名車である。クラシック オブ ザ デイ!
「500E、E500」(1990年~1995年)は、販売不振と財務問題により、存在危機的状況にあったポルシェに開発と生産の協力を依頼するという異例のプロジェクトによって誕生したスーパーサルーンだ。技術的には多くの点でポルシェであるが、メルセデス・ベンツのミドルクラス最上級グレードとして市場に登場した。
ポルシェとメルセデスが交互に生産
「500E」は1990年秋に発表された。「メルセデスSL(R129)」に由来する5リッターV型8気筒(M119)が搭載され、ジンデルフィンゲンのメルセデス・ベンツとツッフェンハウゼンのポルシェの2ヶ所で生産された。 ポルシェはボディシェルを受け取り、先代のW123から狭められた車幅を、V8が収まるようにフロントエンドとバルクヘッド、トレッドを変更し56mm拡大した。あのフレアした迫力のフロントフェンダーをはじめ、手作業で改造されたボディは塗装のためにジンデルフィンゲンに戻った。 エンジンの組み立てと最終的なシャシーの組み立て(R129のパーツを使用)、エキゾーストとブレーキシステムの組み立ては、再びツッフェンハウゼンのポルシェ第一工場で行われた。「500E」1台の生産には、実に18日間を要した。 その結果、「パナメーラ」よりもずっと前に、4ドアのポルシェが誕生したのである。1993年6月に行われた2度目のモデルチェンジ(Mopf 2)では、初めて「Eクラス」という呼称が導入され、「500E」は「E500」となった。
2度目のフェイスリフトでサビが発生しやすくなった
「500E」は6秒後には100km/hに到達する直線番長的な印象もあるが、ダイレクトで正確なステアリングでハイスピドコーナリングも難なくこなす。最高速度は250km/hで電子制御される。 1993年のモデルチェンジでは、クロームグリルがいわゆる「バッジグリル」に変更され、星マークがグリルからボンネットに移動した。 残念なことに、水性塗料も導入されたため、それまで立派だったボディワークの防錆力が弱まり、ドア上端、トランクリッド、シル先端、ホイールアーチ、エアリアルベースが錆びやすくなった。 サスペンションジョイント、トラックロッド、ステアリングギアなど、一流の素材であっても特にストレスがかかる部分は、並みのW124よりも高い交換頻度となるが、スペアパーツはメルセデス・ベンツのカスタマーサービスを通じて迅速に供給された。