【クラシック オブ ザ デイ】ポルシェとメルセデスが共同開発した「メルセデス・ベンツ 500E」は異彩を放つ名車だ!
テクニカルデータ: メルセデス500E(W124) ● エンジン: V型8気筒、フロント縦置き ● シリンダー: バンクごとに2つのオーバーヘッドカムシャフト、シリンダーごとに4つのバルブ、2つの調整式セラミック触媒コンバーター ● 排気量: 4973cc ● 出力: 326PS@5700rpm ● 最大トルク: 480Nm@3900rpm ● 駆動方式: 後輪駆動、トラクションコントロール付き4速オートマチックトランスミッション ● 足回り: フロントウィッシュボーン、ストラット、スタビライザーバー、リアウィッシュボーンアクスル、コイルスプリング、スタビライザーバー ● タイヤ: 225/55R16 ● ホイールベース: 2800mm ● 全長×全幅×全高: 4750x1796x1408mm ● 乾燥重量: 1790kg ● 0-100km/h加速 6.3秒 ● 最高速度: 250km/h(制御値) • 新車価格(1990年当時): 134,520マルク(約1,125万円)
大林晃平: W124の500Eに関しては、もうこれ以上語ることがないほど世の中で伝説となるような話が知られている。そのほとんどは絶賛で、最後のモンスター メルセデス・ベンツとか、これぞ究極のスリーポインテッドスターのような評価がほとんどだし、何よりも本文で記されているように、ポルシェが開発と生産に絡んでいる、というところがまたエンスージャストの琴線に触れる部分なのである。 個人的な話で申し訳ないが、この500Eが発表された時、我が家の自動車はW124の230TE(ということは、S124)で、かなり長い間この車を所有し愛用していた。そしてその後、中古車で幸運にもR129の500SL初期モデルを所有し乗っていた時期がある。W124の500Eは「W124の4ドアボディに、R129のフロント部分を移植したような車だ」と当時のインプレッションで説明されてきたことから考えれば、私はその2台を所有し、別々に味わうことができた幸運な(?)男ということもできよう。 またこの500Eの全盛期、私の周りにはW124の500Eを新車で購入し乗っていた人が一人と、極上の中古車を購入し愛用していた人がそれぞれいて、そのどちらにも思い切り乗せてもらうことができた。これもまたラッキーな話で、広報車輛やテスト車輛ではなく、ちゃんと一般的に購入されたそれぞれの自動車を、結構な距離に乗ることができたことは自慢に聞こえたら申し訳ないが、ちょっと得したようにも感じた人間である。