自家製爆弾vs竹やり。牧師が率いる「手作りの内戦」に同行した 国際社会の支援はゼロ。「打倒軍政」を支えるのは市民の熱意【ミャンマー報告】2回続きの(1)
1948年の独立以降、ビルマ人主体の中央政府(長い間軍事政権が続いた)と、自治権を求める各地の少数民族との戦闘が繰り返された。2015年以降にスーチー氏が率いた民主政権下では落ち着いたが、2021年のクーデター後しばらくして少数民族が武装闘争を再開した。 少数民族の拠点は国土の周縁。だから国軍との戦闘現場も、チン州のほか北東部シャン州、北部カチン州、西部ラカイン州、東部カヤ州、同カイン(旧称カレン)州など国境に近い地域が中心だ。軍政は最大都市ヤンゴンや第2の都市マンダレー、首都ネピドーなど、ビルマ人が多数を占める中央部の支配をかろうじて維持している。 軍政を率いるミンアウンフライン総司令官は2023年2月、軍政が治安を掌握しているのは国内330行政区のうち約6割の198だけだと述べた。少数民族の支配地域は拡大し、軍政の支配は弱まり続けている。(続く)