韓国検察と合同捜査本部、大統領捜査の「主導権争い」激化
【12月17日 KOREA WAVE】韓国の「非常戒厳」の首謀者とされるユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領の調査をめぐり、検察特別捜査本部(特捜本)と合同捜査本部(合助本)が互いに主導権を主張し、緊張が高まっている。調査機関の間の調整が不十分なまま、ユン大統領がどちらで調査を受けるか選択できる状況となり、捜査の混乱が深まっている。 特捜本は21日までにユン大統領の出頭を求める召喚通知を送付する。一方、合助本は16日、ユン大統領に高位公職者犯罪捜査処(公捜処)へ18日午前10時に出頭するよう要請した。 しかしユン大統領は「弁護団の構成が完了していない」として、当分の間、召喚調査には応じない姿勢を示している。現在、弁護団はキム・ホンイル元放送通信委員長を中心に構成中とされる。 複数の捜査機関が同時にユン大統領の調査を進める状況に、「捜査機関ショッピング」の懸念が現実となった。ユン大統領が長年勤務してきた検察への出頭を選ぶ可能性が高いと見られている。 一方で、「調査機関間の調整不足」を理由に出頭を拒否する可能性も指摘される。また、特別検察官(特検)の調査を希望する立場を示せば、大統領への調査が無期限に延びる恐れがある。 調査機関の間の協力が求められているが、最近は▽公捜処の事件移送要請に検察が無反応▽合助本の調査対象者を検察が緊急逮捕▽別の機関が調査予定の人物への召喚通知の公表――など、対立を深めている。 特に、ムン・サンホ情報司令官を警察が緊急逮捕しようとした際に、検察がこれを阻止したことが対立を象徴している。検察は「現役軍人に対する逮捕は軍事裁判所の令状が必要」と主張。一方、警察は「内乱罪に対する明確な調査権限がある」と反論している。 法曹界関係者は「ユン大統領の調査には、複数の機関に散らばった資料を統合すべきだ」と指摘。「非常戒厳当時の指示全体が解明されていない現状では、内乱首謀罪の成立要件を完全に立証するのは難しいだろう」と見解を示した。 (c)KOREA WAVE/AFPBB News
KOREA WAVE