海外旅行に行くと、現地のシニア世代がのんびり優雅に暮らしているのを見かけます。そんなに物価が安いのでしょうか?
海外旅行へ出掛けた際、現地のシニア世代が優雅に暮らしている様子を見て、うらやましいと感じた人もいるのではないでしょうか。物価が安いので、のんびり優雅に暮らしているのか、気になるところでしょう。本記事では、海外で暮らすシニア世代の状況と物価について考えてみます。
日本人なら為替の影響は避けられない
現地で暮らすシニア世代には、もともとそこで生まれ育った人々と、他国から移民や移住して暮らしている人がいます。 まず、もともとその国や地域で生まれ育った人の場合、年金制度や年齢やステータスに応じて受けられる福祉などは、その国の基準に準じます。日本よりも、優れた福祉を提供している国や地域はあります。ただし、必ずしもすべてが日本より優れているとは言い切れません。住んでいる地に慣れ親しんでいることで、精神的なゆとりは大きくなり、他国から訪れた人から見れば、ゆとりがあるように感じられるのではないでしょうか。 では、日本から移民や移住(ロングステイビザを取得等)をした人たちについて考えてみましょう。 移民や移住をしたタイミングによって、その国の公的年金制度に加入しなければならないこともありますが、定年退職後に海外暮らしをする場合には、日本の年金を外国で受け取ることになります。 日本の年金は、海外で暮らしていても現地の銀行口座を指定して受給することが可能なのですが、米ドルやユーロなどで支払われることになります。それゆえ、為替レートの影響を受けることになってしまいます。 円高になれば、日本円で受給するよりも目減りをしているように感じることでしょう。反対に円安になっているときには、円安のメリットを享受できます。 とはいえ、いずれにしても為替手数料は生じてしまいますので、注意が必要です。
本当に物価は安いのか?
国や地域によっては物価が安いところもありますが、世界中の国や地域の物価が、どこでも日本よりも安いわけではありません。また、いくら物価が安くても為替の影響を受けている場合は、割高になってしまうことも十分に考えられます。 現地で暮らすシニア世代の場合、一時的な観光ではなく、ロングステイビザなどの長期滞在用のビザを取得している人たちもいます。ロングステイビザの取得要件は国や地域によって違いはありますが、一時金として数千万円以上の預金を現地の銀行口座に預けていることが取得の条件になっている国も多く、運用益を得て、為替の影響を受けずに現地の通貨を得ていたりもします。 また、若いうちに移住しているケースでは、現地で働くなどして収入のベースが日本よりも現地となっている場合も、為替の影響を受けにくい状態になります。その場合、物価の安い地域に暮らしていれば、物価の恩恵は受けられます。