海外旅行に行くと、現地のシニア世代がのんびり優雅に暮らしているのを見かけます。そんなに物価が安いのでしょうか?
ロングステイビザなどの発給を受ける前に考えること
物価の安い地域で暮らすことが可能なら、ロングステイビザなどを早めに取得すれば、問題ないのでは? と考える人はいることでしょう。 とはいえ、ロングステイビザなどの発給要件は、以前よりも厳しくなっている傾向にあります。一時的に預け入れる金額も為替の影響を受けるため、予想以上に多くの日本円を準備しなければならないことも少なくありません。 あわせて、年間の収入要件が求められている場合は、収入要件もクリアできるのかを確認してみましょう。 収入要件は、給与や年金、賃貸収入などで一定額以上が求められます。このとき、夫婦2人ならクリアできていても、1人になるとクリアできなくなってしまう可能性があります。このため、ロングステイビザなどの発給を受ける前には、現地の通貨でいくらかかるのか、日本円に換算するといくらになるのかを確認してください。また、2人でも1人でも要件を満たして暮らしていけるのかを確認し、慎重に判断することが大切です。 セカンドライフにおいて、年金は貴重な収入です。一時的に物価の安い地域で暮らして、支出を抑えようとする人もいます。 ただし、日本に帰国する前提で海外暮らしをする場合、現地の生活費とあわせて日本に家を持っている場合、それを維持するコストもかかってしまいますので、その分も考慮し、本当に支出を抑えられるのかを判断してください。
まとめ
将来にわたって海外で暮らすケースや、あくまでも一時的に海外で暮らすケースもあると思います。 特に、一時的に海外で暮らすケースでは、為替の影響を受けることが考えられます。憧れだけでは海外生活は送れません。自分の持っている資産や収入で、日本での財産維持と海外での生活費を捻出できるのか、慎重に見極める必要があります。移住をする前にはどのような費用がかかるのかを確認し、お金の流れをシミュレーションして、無理なく生活できるのかを確認することが大切です。 執筆者:飯田道子 ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト
ファイナンシャルフィールド編集部