評価額10兆円に迫るアンソロピック、7人の「AIビリオネア」誕生へ
生成AI開発の米スタートアップ、Anthropic(アンソロピック)が近く20億ドル(約3160億円)の資金調達を実施することが米国時間1月7日、明らかになった。この調達で企業価値が600億ドル(約9兆4800億円)に達する同社からは、新たに7人のビリオネアが誕生するとフォーブスは推定している。 人気のチャットボット、Claude(クロード)を開発するアンソロピックは、ベンチャーキャピタル(VC)のライトスピード・ベンチャー・パートナーズが主導する調達ラウンドで20億ドル(約3200億円)を調達する予定で、関係筋によると評価額は600億ドル(約9兆4900億円)に達する見込みだとされている。 アンソロピックの新たな評価額に基づくと、CEOのダリオ・アモデイや社長のダニエラ・アモデイ、共同創業者のトム・ブラウン、ジャック・クラーク、ジャレッド・カプラン、サム・マクキャンディッシュ、クリストファー・オラーらの7人全員がビリオネアになる見通しだ。フォーブスは、同社の株式の2%以上を引き続き保有するこれらの共同創業者の保有資産が、それぞれ少なくとも12億ドル(約1890億円)に達すると試算している。 アモデイ兄妹と他の5人の共同創業者らは、2023年時点でそれぞれ6%以上の株式を保有していたことが、同社のキャップテーブルに記されている。アンソロピックは、その後、数十億ドルの追加資金を調達しており、2024年初めには、メンローベンチャーズが主導した評価額150億ドル(約2兆3700億円)のラウンドで10億ドル(約1600億円)以上を調達した。さらに昨年11月には、既存の大口投資家であるアマゾンが新たに40億ドル(約6300億円)の出資を確約していた。 この期間中、アンソロピックは投資家や戦略的パートナー、自社の従業員らに株式を割り当て続けたため、フォーブスは、各創業者の持ち分が2%から3%の間に希薄化したと見積もっている。2%と仮定した場合、各創業者の持ち株の価値は12億ドル(約1900億円)となる。 2021年にOpenAIから離脱したチームによって設立されたアンソロピックは、それ以来、ChatGPTを開発するOpenAIにとって最大級のライバルの1社に台頭した。非営利団体としてスタートしたOpenAIは、昨年10月に評価額が1570億ドル(約24兆7000億円)に達し、この分野における最大のプレイヤーであり続けている。同社は現在、営利企業への転換を進めている。