22年ぶり快挙の森保JはW杯組と若手の融合に成功したのか?
融合から化学反応へ
「4対2にしてからの試合の運び方がよくなかったし、あの時間帯で若い選手たちを僕らが上手くコントロールできるようにならないと。ただ、いまは勢いよくガンガン攻めてもらうことが一番なので、これを続けながら一喜一憂することなく、足元をしっかりと見て取り組んでいくことがいまは大事ですね」 初めて同じピッチでプレーする選手たちの間に、数日間の練習だけであうんのコンビネーションを築くのは容易な作業ではない。それでも先につながる「芽」がいくつも出始め、堅守を伝統とするウルグアイから4ゴールをもぎ取った攻撃からは「融合」の二文字が伝わってくる。もっとも、メンタル面では「融合」がさらに進み、急成長への起爆剤となりうる「化学反応」までもが起こりつつある。 「これだけ技術があって、上手い若い選手たちを見ていると、体を張らなかったら次からはもう呼ばれないなと思って熱いプレーをしましたよ」 1点差にされてからは必死の守備でウルグアイの猛攻をシャットアウト。親善試合とはいえ価値ある勝利をもぎ取った長友は「危機感だらけですよ」と、嬉しい悲鳴を上げる。 「所属クラブで試合に出られないとか、パフォーマンスが悪くなってしまったら『長友、さようなら』となる感じだと思うので。そうならないように必死でやらないと。若いときのギラギラ感が久しぶりに出てきたというか、いい意味で彼らに刺激を与えてもらっています」 新キャプテンのDF吉田麻也(サウサンプトン)を含めた、ベテラン勢が放つ経験に裏打ちされた安心感が若手を自由に羽ばたかせる。そして、これでもかと仕掛け続け、ウルグアイの守備網に風穴を開けた若手の雄叫びがベテラン勢を突き上げる。理想的な相乗効果が森保ジャパンに脈打ち始めた。 (文責・藤江直人/スポーツライター)