DJ、バイカー、プロゴルファーetc.千葉のカルチャースポット「フジクラスポーツ」に集う男たち
土曜の昼下がり、1人、また1人とお客さんが訪れ、気がつくとこの賑わい。千葉県有数のターミナルである松戸駅から、地図アプリを片手に歩くこと15分ほど。 ▶︎すべての写真を見る 店らしい店もなく人通りも疎らなこの先に、本当にショップなんてあるのかと不安になるが、そこに突如として現れるのが「フジクラスポーツ」である。
「ウチは祖父から3代続く街のスポーツ用品店で、近隣の小中学校に体操着を販売し、その名入れ刺繍や学校行事のTシャツを製作してきました。ほかには体育用具や遊具を納めたり」と店主の藤倉久也さん。
約20年前に後を継ぎ、現在は奥さまの琴美さんと家業を切り盛り。 ただ店を覗くといわゆるスポーツ店とは明らかに違い、何屋なのかすら正直よくわからない。聞けば2017年に大転換を図ったのだとか。
「松戸にはクラブやライブハウスがなく、気軽に音楽やアートに触れたり、発信する場所が少なかった。じゃあ、ないなら作ろうか! と思い立ったのが改装のきっかけです。 ファッションはもちろん、ストリートカルチャー、音楽やアート、モノ作りが大好きな自分のパーソナリティも一緒くたに詰め込み、商品構成や内装をリニューアルしました」。
店内には古着をはじめ、デザインから刺繍&プリントまで自身が行うオリジナルアイテム、国内外のクリエイターによるアート作品などが雑多に並び、一角にカフェスタンドやDJブースまで。
そうした種々さまざまを一堂に集めた結果、スタイルや趣味嗜好、年齢も国籍も異なる幅広い層が出入りするように。
今では遠方からもお客さんが訪れるカルチャースポットになった。
「個展やワークショップなど、何かを始めるきっかけの場となったり、遊び場として出会いやコミュニケーション、横のつながりが広がるハブになっているのがうれしいです。
だから『フジクラスポーツ』は、僕ら夫婦だけではなく、皆さんとともに創り上げている店なんです」。
FUJIKURA SPORTS オープン:1946年 住所:千葉県松戸市竹ケ花235
OCEANS編集部