じわり盛り上がる「ハーフサイズ」のフィルムカメラ、魅力と選び方
若者を中心にフィルムカメラ人気が続くなか、「ハーフ」「ハーフサイズ」と呼ぶフォーマットのフィルムカメラが話題に上ることが増えました。巷では、コダック製のリーズナブルな価格のハーフサイズカメラが人気を博していますし、リコー(ペンタックス)はハーフサイズのコンパクトフィルムカメラをこの夏にリリースすると予告しています。今回は、ハーフサイズについて解説するとともに、現在中古で手に入れられる往年のハーフサイズカメラを紹介したいと思います。 【写真】ほとんどのハーフサイズカメラは、横位置にカメラを構えると縦位置の写真となるため、ファインダー像ももちろん縦長になります
■35mm判にはない魅力を持つハーフサイズ 一般に、35mmフィルムのフォーマットサイズは36×24mmの大きさです(今回は「フルサイズ」と記載します)。ハーフサイズも同じ35mmフィルムを使用しますが、フォーマットの大きさはその半分、18×24mmとなります。 35mmフィルムは、フルサイズで撮影したときの撮影可能枚数がパッケージやパトローネ(フィルムが入る金属製の容器)に記載されていますが、ハーフサイズで撮影した場合、その2倍の枚数が撮影できます。24枚撮りフィルムなら48枚、36枚撮りなら72枚になります。以前に比べ、フィルムの価格はビックリするほど高騰していますので、ハーフサイズでの撮影なら経済的に撮影が楽しめます。前述のコダック製のハーフサイズカメラが人気なのも、リコーが新しく出そうとするカメラがハーフサイズなのも、ひとつにはその理由もありそうです。
基本的に、ハーフサイズのカメラをそのまま構えると、縦位置写真となります。縦位置写真の好きな人はよいのですが、横位置写真に慣れていると使いにくく感じるかもしれません。また、仕上がった写真が縦位置ばかりになることも。横位置の写真が撮りたいときは、積極的にカメラを縦位置に構えるよう心がけておくとよいでしょう。
ちなみに、京セラが1980年代後半にリリースしていたサムライシリーズのように、フィルムを横にして装填するカメラの場合、ハーフサイズながら通常の構えで横位置の写真が撮れるものもありました。 フォーマットサイズが小さいため、総じてカメラが軽量コンパクトなのもハーフサイズの特徴であり、魅力となっています。持ち運びしやすく、カメラバッグのちょっとしたスペースに収納でき、またそのサイズ感から注目されることも少なくありません。