意外と知らない「Googleマップの渋滞情報の精度が高い理由」
Googleマップで、渋滞情報を事前に調べてからドライブに行く方は少なくないでしょう。Googleマップでは渋滞している区間が赤く表示され、リアルタイムで更新され、情報の精度も高いです。 【画像でわかる】パソコンで調べた「Googleマップ」ルートをiPhoneに送信して共有する方法 一方「なぜGoogleマップは高精度の渋滞情報を提供できているのか」は意外と知らない方も少なくないのでは? 実は海外では大量のスマホを利用し、意図的にGoogleマップ上に渋滞を発生させた事例もあり、渋滞情報の測定方法は興味深いものです。 今回は意外と知らない「Googleマップの渋滞情報の精度が高い理由」をご紹介しつつ、後半ではGoogleマップの情報と首都高の公式情報を照らし合わせ、精度は本当に高いのかも検証します。
アーティストが99台のiPhoneで「意図的に渋滞を発生」させることに成功
Googleマップを使い、2020年、ドイツのアーティストであるサイモン・ヴェッカー氏があるパフォーマンスをして話題になりました。 それは99台のiPhoneを手押し車に載せて巡回するというもの。99台のiPhoneを赤い手押し車に積み、ベルリンの閑散とした道を歩き回りました。 その結果、Googleマップは99台のiPhoneが一カ所に集まって移動していることを「渋滞」と判断し、他のユーザーに迂回ルートを提案。つまり、大量のスマホが一カ所に集まってゆっくりと進んでいたため、Google側が「渋滞」だと誤認識してしまった結果です。 結果、Googleマップ上で意図的に渋滞を発生させることに成功しました。このパフォーマンスによって、Googleマップの渋滞情報は少なからず「各ユーザーのスマホの位置情報」に根ざしていることが明らかにもなりました。
Googleマップの渋滞情報の精度が高い理由
先述した通り、Googleの渋滞情報は意図的に作り出すことができますが、逆を言えば、Googleの位置情報収集が正確だからこそ成功したパフォーマンスだったとも言えます。 Googleでは、「プローブ情報」によって利用者のスマホから匿名で位置情報や移動速度を収集し、道路上の車両の動きを正確に把握しています。 加えて過去の交通データも活用されています。たとえば、東京都内の環状七号線を走る車の速度データを見てみると、朝の通勤時間帯では時速50km、夕方の帰宅ラッシュ時には時速15kmから20kmに減少する傾向があります。 つまりGoogleマップでの検索が朝に行われるのか、夕方に行われるのかによって渋滞の発生確率や到着予定時刻は大きく変わります。Googleマップは過去の交通データを用いて、特定の時間帯や曜日における交通パターンを予測し、より正確な渋滞情報を提供することを試みています。