じわり盛り上がる「ハーフサイズ」のフィルムカメラ、魅力と選び方
さらに、フルサイズと比べたとき、同じ画角のレンズならば、ハーフサイズは実焦点距離が短く、深い被写界深度が得やすいのもメリットのひとつ。ピントを大きく外すことは少ないといえます。 その反面、大きなボケを得るのは難しく、ボケを生かした描写はどちらかといえば苦手です。そのため、ハーフサイズはパンフォーカスで撮ることの多いスナップ向きのフォーマットといえます。また、フォーマットがフルサイズの半分の大きさですので、フィルム特有のザラっとした粒状感が出やすいことも特徴。これについては好みの分かれるところですが、緻密な写りを求めるのであれば粒状感の出にくい低感度のフィルムを使い、粒状感を生かした写りが楽しみたければ高感度のフィルムを使用すると効果的です。 ■今手に入れられるハーフサイズカメラのおすすめは? 以上がハーフサイズのおもな特徴となります。ハーフサイズカメラの購入ついては、現在新品で手に入るのはコダックの「EKTAR H35N」(実売価格は10,890円前後)や、ロモグラフィの「Lomourette Half-frame Water Lilies Edition」(実売価格は10,880円前後)などがあります。プラスチック製でシンプルな構造のカメラがほとんどですが、その分価格はリーズナブルです。これからハーフサイズで撮影を楽しみたい人や、フィルム初心者の入門用として最適な1台といえます。
中古ならば、さまざまなハーフサイズカメラが手に入れられます。おもなメーカーとしては、オリンパス、リコー、キヤノン、富士フイルム、コニカ、ミノルタ、京セラ、ペトリなどがあります。
なかでも、オリンパスはハーフサイズカメラを1960年代に積極的に展開しており、現在中古カメラショップでも見かけることの多いメーカーです。バリエーションも豊富で、シンプルな「PEN EE」シリーズから、珍しいハーフサイズの一眼レフ「PEN F」シリーズなどがあります。