殺害された保護司から服役中に届いた手紙『皆さんの温かさに報いてもいないうちに夢を語るのは早すぎます』を胸に 更生支援を受けた男性「何も恩を返していない...なんでこんなことに」
(宮本一幸さん)「今見させてもらってる方とは、もう信頼関係というか、何回もお会いしているので全然不安とかはないんですけども。次に新しい方を保護観察するときに、やっぱり不安もありますし、どう接していったらいいかなというのでものすごく身構えるというか、そんな気持ちになってしまいますね」
「やめたい」不安の声…揺れる保護司制度
こうした不安は広がりつつある。法務省は6月、全国の保護司を対象に行っている調査の途中経過を報告。面接への不安や「やめたい」という申し出もあったことがわかった。 揺れる保護司制度。通常の1対1ではなく複数の保護司で対応する方法も議論されている。 一方で、元保護観察官の専門家である龍谷大学の矯正・保護総合センターの浜井浩一センター長は、ベテランの保護司が新任の保護司をサポートできる仕組みは必要だとしたうえで、こう指摘する。 (龍谷大学 浜井浩一センター長)「保護司さんを支えるのは、保護観察所だけの役割ではなくて、地域の役割でもあるんですよ。地域が保護司さんの味方でいる。保護司さんは本人(保護観察中の人)の味方であると。そういう状況がうまく作れれば、保護司さんが孤立することはないです。支援者を孤立させない支援がすごく大事」
『我々の社会の門を叩き、くぐって来てくれる事を念じて止まない』新庄さんの言葉を胸に…
保護観察中、新庄さんから更生支援を受けた谷山真心人さん。谷山さんは再犯して服役した刑務所で、新庄さん宛てに“将来の夢”を綴った。返ってきた手紙の言葉を大切に胸に留めている。 【新庄さんからの手紙より】 「皆さんの温かさに報いてもいないうちに、自分の夢を語るのは早すぎます。社会復帰ではなく、我々の社会の門を叩き、しっかり門をくぐって来てくれる事を念じて止みません」
(谷山真心人さん)「ああいう人に出会えてよかったなと初めて思いましたし、何も恩を返してないうちにお別れしてしまったことに対してすごく思うことがあるので。『これからの僕を見といてください』って言いたいですけど、それくらいしか言えないですね、今は」 誰もが立ち直るチャンスを。新庄さんが残した意志を、私たちはこれからどう受け止め、どう受け継いでいくのか。 (2024年6月25日放送 MBSテレビ「よんチャンTV」内『特命取材班スクープ』より)