90歳以上の9割が後悔していることは? 調査で見えた「人生を不幸にする原因」
あと何回桜を見られるだろう?
人生80年として、1年を1回としてカウント。いま30歳なら、桜を見られるのは、「80-30=残り50回」です。 どんなに空が曇っていても、雲の上にはいつもお日さまが燦然と輝いています。同じように、どんなに悩みという雲で心が覆われていたとしても、ハートの中心には、「仏性」が宿っていると仏教ではいいます。 仏性を辞書で引くと次のようにあります。 「仏性とは、すべての生き物が生まれながらに持っている、仏となることのできる性質」。 しかし、すべての人が心の奥で「仏性」を宿しているのに、なんで、社会で成功する人もいれば、しない人もいるのだろう。そこに疑問を持った修行僧がいました。 「なんでなんだろう?」 あなたはどう思いますか? その疑問を、修行僧は、師匠の道元に尋ねてみました。道元は、鎌倉時代に曹洞宗を開祖したカリスマ禅僧です。道元の答えは次のようなものでした。 「成功する人は努力する。成功しない人は努力しない。その差だ」 さすが、師匠。しかし、その夜、弟子はまた疑問が湧いてきました。人間は、みんな仏性を宿しているはずなのに、どうして努力する人、しない人が出てくるのだろうと。そこで、翌日また道元に尋ねました。道元の答えはこうでした。 「努力する人間には志がある。しない人間には志がない。その差だ」 なるほど! 道元の答えに弟子も納得しました。しかしその晩、またまた疑問が湧いてきたのです。仏性のある人間に、どうして志がある人、ない人がいるのだろうと。弟子は再び問いました。道元は答えました。 「志のある人は、『人間は必ず死ぬ』ということを知っている。志のない人は、『人間が必ず死ぬ』ということを本当の意味で知らない。その差だ」
メメント・モリ=死を忘れるな
古代ローマでは、凱旋した将軍が、みなに拍手喝采で迎えられるパレードをする際、従者をつけて、必ずある言葉をささやかせたそうです。どんな言葉だと思いますか? 戦争に勝った将軍が、喜びの絶頂にいるときに、必ずささやかせた言葉。 それは、「メメント・モリ」(memento mori)。 「死を忘れるな」という意味です。 自分はいつか死ぬ存在であることを忘れなければ、有頂天になることもなく、物事をいつも正しく判断できるからです。 また、フランスのストラスブール大聖堂の祭壇には、「死のアレゴリー」という、髑髏の絵が描かれているそうです。 「あなたもやがてこのような姿になる。ゆえに絶えず私(髑髏)を記憶し、私を見つめよ」 というメッセージです。 ファッションアイテムにもよく使われる髑髏モチーフには、もともと「死を忘れるな」という意味が宿っていたわけです。 今日亡くなる方は世界で約15万人います。人生最後の日は必ず来ます。それは残念ながら、必ず、です。 もし、あなたが30代だとしたら、桜をあと50回も見られないかもしれない。 地球があと太陽の周りを50周する間に、人生は幕を閉じます。地球が、グランドを50周する間にです。 さあ、ここまで読み進めてくる間にも、あなたの寿命は縮まっています。それが現実です。この現実から目を背けてはいけない。 その自覚こそが「差」になる。 「命がけで生きる」という言葉がありますが、僕らは、みんな、生まれたときから命がけなんです。
ひすいこうたろう