誰もが称賛! 「圧勝」を決めたマクラーレン・アルトゥーラ BBDC 2024(8) 10台の得点は?
「本当に最高」「信じられない」「圧倒された」
3日間という短くない時間をかけて、ひたすら運転し、議論を重ね、最終結果が導かれた。ガソリンタンクは空になり、駆動用バッテリーの充電は切れた。休憩コーナーに用意してあったお菓子も、全部食べきった。 【写真】刺激的な「ブリティッシュ」トリオ! スーパースポーツ vs アルトゥーラ vs ヴァンテージ (100枚) 審査員6名の配点を集計した結果、2024年の英国ベスト・ドライバーズカーに選出されたのは、プラグイン・ハイブリッドのスーパーカー、マクラーレン・アルトゥーラだ。 例によって満場一致の結果ではないが、今回はそれに近い配点だった。審査員の内、5名がアルトゥーラへ最高得点を与えていた。公道とサーキットで、それぞれ25点を満点としているが、20点より低く評価したのは1ステージで1人だけだった。 「本当に最高」「信じられない」「圧倒された」。そんな表現が、アルトゥーラを振り返る時にしばしば使われた。特に、3.0L V6エンジンのターボラグを巧妙に穴埋めする、電気モーターの仕事ぶりを称賛しない人はいなかった。 公道で感服したのが、コミュニケーション力に長けた高解像度のステアリングと、傷んだアスファルトを滑らかに処理するサスペンション。不気味と表現したくなるほど、高速域での運転は安楽だった。日常的な速度域での扱いやすさにも、舌を巻いた。
アップデートを受けた2024年は圧勝
余りの落ち着きぶりに、もう少しドラマチックさが欲しいと感じた審査員はゼロではない。それでもサーキットでは、深い信頼感から、速さを追求することを可能としていた。動的能力では、ノミネート車両の中で群を抜いていたことは明白だ。 アルトゥーラは、登場直後の2022年にもBBDC選手権へノミネートし、4位へ入賞している。その時は、運に恵まれない部分もあった。しかしアップデートを受けた2024年は、圧勝してみせた。 2位に選ばれた、アナログ・オートモーティブ・スーパースポーツとの差は12ポイント。むしろ、260ポイントを得たアルトゥーラを過小評価したかもしれない、と話す審査員がいたことも事実ではある。マクラーレンは、BBDC選手権で2度目の優勝だ。 スーパースポーツは、レストモッド・モデルとして歴代最高となる、248ポイントを得ている。過去に例のない仕上がりだったことは、間違いない。アストン マーティン・ヴァンテージは、244ポイントという僅差で3位となった。 トップ3以外を見ていくと、ヒョンデ・アイオニック5 Nが、バッテリーEVとしては過去最高位の5位を掴んでいる。2020年のポルシェ・タイカンは6位。電動の優秀なドライバーズカー誕生を意味する結果といえ、注目に値するだろう。