ソフトバンク・和田毅 引退試合固辞した理由 「城島さんに怒られて…ずっとそういう気持ちで」
現役引退を発表したソフトバンクの和田毅投手(43)が5日、福岡市内で記者会見を行った。 【写真】引退会見でチームメイトと記念撮影(後列左から)周東、高谷コーチ、新垣氏、和田、明石コーチ、石川、有原、東浜(前列左から)又吉、リチャード、杉山、藤井 「私、和田毅は今シーズンをもって引退します。たくさんの方からメールとか電話いただいて、返信もできていないんですが、この場を借りて伝えさせていただきます」とあいさつ。 プロ野球選手として大事にしていたこと、こだわりを持ってきたことを聞かれ、「難しいですね…最後の引退試合をしないというか、ファンあってのプロ野球。一人で優勝できるものではない。人のためにやることは時にはもちろん大事だけれど、みんなの力が集まって、同じ方向を向いて勝ち得ていくことが大事。それを自分も大事にしていましたし。チームあっての自分という気持ちでずっと戦っていた」と回答。 球団からは引退試合を打診されていたが、優勝争いの大事な時期に引退を報告して「和田さんのために日本一」という空気は作りたくないという気持ちから固辞したという。 その考えについて「一番最初に引き継がせてもらったのは、城島さんで。城島(健司)さんに怒られて、教わってから、ずっとそういう気持ちで22年続けられて良かったと思います」と、捕手だった城島健司にかつて諭された出来事を胸に過ごしてきたと明かした。 和田は、昨秋に就任した小久保監督から開幕ローテーション入りを確約され、本拠地開幕戦を任されたものの、負傷により回避。今季は先発で2勝に終わったが、シーズン終盤では救援としてプロ初ホールドを記録するなど存在感を示していた。 ただ、ポストシーズンへ向けた10月13日の実戦形式マウンドで左足を痛め、CSファイナルS、日本シリーズでは登板がなかった。球団側は来季も戦力として評価していたが、日本シリーズ終了翌日の4日に和田から引退の申し出があり、チームも了承した。 2002年自由獲得枠でダイエーに入団。03年の1年目には14勝で新人王となり、日本シリーズでは胴上げ投手となった。10年には最多勝とMVPを獲得。16年にも最多勝、最高勝率に輝く。12年からはメジャーにも挑戦し、現役22年間で165勝を挙げた。 1989年に誕生のダイエー入団では最後の現役選手だった。