【ダイヤモンドダスト】学園祭でまさかの再現 ⇒「ずっと見つめてしまう」「アナ雪だ!」SNSで感動の嵐。どうやって作ったの?
極寒期にいくつもの気象条件がそろったときだけに出現する自然現象「ダイヤモンドダスト」。大気中の水蒸気が氷結し、結晶が光を反射させキラキラと輝く、とても珍しい現象です。ディズニーのアニメ映画『アナと雪の女王』でも印象的に描かれました。 【動画】明治大学で披露された「ダイヤモンドダスト」を見る。ずっと見てしまう美しさ…… そんなダイヤモンドダストが、明治大学生田キャンパスで11月2日~4日にかけて開催された学園祭、第24回生明祭にて実演されました。美しく神秘的な光景はSNSでも話題になっています。
話題になっているのは、明治大学理工学部物理学科「雪氷物理学研究室」の研究発表です。こちらでは、室内でダイヤモンドダストを見ることができるという実演形式の実験が行われていました。 同研究室の長島和茂教授は11月5日、自身のX(旧Twitter)アカウント(@KazuNagashimaMU)に発表の様子を動画で投稿。 動画には実演されたダイヤモンドダストの様子が映っており、細かい氷の結晶に光が当たり、青、ピンク、緑、黄色……と色とりどりに輝く様子が確認できます。
その美しい光景にSNSでは、 「ずっと見つめてしまう。眺めるより見つめちゃう。引き込まれてしまうな」 「アナ雪だ!!!」 「すごいなあ。本物も見てみたいけど、再現できるのすごいなあ」 「学祭のこういう展示が遊びに来た中高生の学問への夢を膨らませるのですよね」 と、多くのコメントが寄せられたほか、実物を見てみたいという声も多く寄せられ話題になっていました。
どうやって室内でダイヤモンドダストを来場者に披露したのでしょうか? 長島教授に聞いてみました
――「雪氷物理学研究室」では、どういった研究をされていますか? 「雪や氷などの結晶の形が形成される仕組みを研究しています」 ――ダイヤモンドダストとは、どういった現象なのでしょうか? 「ダイヤモンドダストは、大気中の水蒸気が昇華して無数の氷晶(小さな氷の粒)が発生することで見られるものです。北海道の旭川など気温が氷点下10℃以下になる地域で発生します」 「氷晶は六角形の多面体をしており、面による光の反射によってキラキラと輝いて見え、さらには平行な2面において薄膜による光の干渉が起こり、色づいて見えるのが特徴です」 ――映像でもとても美しい光を見ることができました! 室内でどうやってダイヤモンドダストを出現させているのでしょうか? 「まず、上開きの冷凍庫内をマイナス18℃程度に冷やし、そこに息を吹き込むことで水蒸気を供給。それが冷やされると微細な水滴が発生して曇って見えるのです」 「この段階では、冷えた水滴(無数の過冷却水滴)ですが、梱包材(いわゆるプチプチ)を過冷却水滴の雲中で破裂させることで、局所的にさらに急冷します(断熱膨張という原理を用いています)」 「そうすると、過冷却水滴が凍結して、氷晶となり、やがて結晶特有の多面体になるのです」 「自然界では水蒸気が昇華して氷晶が発生するため、この演示実験では過冷却の雲を生成しているところこそ異なりますが、最終的に見られる氷晶の特徴はまさにダイヤモンドダストです」 ――プチプチを使うというのはとても意外でした。なぜ、ダイヤモンドダストを実演しようと思ったのでしょうか? 「雪や氷はなじみ深い結晶ですが、研究対象としてもさまざまな謎が隠されており、関心を持っていただくきっかけとして、きれいなダイヤモンドダストの演示実験を行いました」
――実演するにあたり、工夫したことがあれば教えてください。 「私のゼミ生が実演してくれましたが、再現性良く発生するように事前に練習をしています」 ――展示の映像はSNSで話題になっておりますが、長島教授と研究室の皆様のお気持ちを教えてください。 「我々は常に結晶成長実験による研究を行なっており、結晶のきれいさを楽しみながら研究の苦労も味わって行っております」 「一般の方にもその一旦を伝えられたことをうれしく思います。日常で起こる身の回りの自然現象は物理により説明されることが多くあり、理系科目に関心を持ってくれるとうれしいです」
BuzzFeed Japan