歴史とモダンが交差する都市バンコク、タイ
「今こそ訪れたい世界の旅先25 2025年版」第3回
マレーシアを巡る豪華列車の旅から、グアテマラの活火山でのハイキングまで、ナショナル ジオグラフィックの探検家、写真家、編集者が厳選した世界の旅先25カ所を2025年もご紹介する。 ギャラリー:今こそ訪れたい世界の旅先25 2025年版 ***** 行くべき理由:生まれ変わった寺院を見学 タイの首都バンコクは新旧が入り混じる魅力的な都市だ。中心部にはきらびやかな高層ビルがサイアム・センターなどの豪華なショッピングモールやインサイド・バイ・メリア・バンコク・スクンビットといった高級ホテルと軒を並べている。現代美術展「バンコク・アート・ビエンナーレ」やバンコク国際映画祭が成長著しいバーンラック地区を中心に開催されるなど、バンコクは街そのものがアートとデザインの中心地だ。と同時に観光客がタイの豊かな文化遺産に触れるための拠点でもある。 バンコク近郊には17世紀に建設され、タイで最も重要な文化財の1つである仏教寺院「ワット・チャイワッタナーラーム」がある。優美な寺院の中心には、小さな仏塔に囲まれた大きなクメール様式の仏塔があるが、これは仏教世界の中心にそびえ立つ須弥山を表している。2011年の大洪水とモンスーンによる雨で大きな被害を受けたワット・チャイワッタナーラームでは現在も修復が行われている。寺院を保存し、タイの文化遺産に関する教育施設にするため、全体の3Dレーザースキャンや洪水壁の建設も行われた。
文=Karen Carmichael/訳=三好由美子