サッカー・川口能活選手が引退会見(全文1)日本サッカー界に違う形で貢献したくなった
現役生活で一番うれしかったことは?
テレビ朝日:長い現役生活を振り返って一番うれしかったこと、一番悔しかったこと、思い出をお聞かせください。 川口:うれしかったことはやっぱり試合に勝って、自分がプレーし、試合に勝ち、そして優勝した瞬間。一番つらかったことですか。一番つらかったことは、なんでしょう。いいことも悪いことというか、つらいことも数多く経験してきたので、つらいことはやっぱりサッカーができなかったときですかね。けが、あるいは試合に出れなかった、そういうときは一番つらかったと思いますね。 テレビ朝日:私たちは川口選手の数々のビッグセーブ、驚かされてきたんですけれども、ご自身が一番驚いたセーブってなんだったんでしょうか。 川口:驚いたセーブはなんですかね。驚いたセーブというか、幾つか挙げたほうがいいですか、それか1つ。 テレビ朝日:幾つか挙げていただいても。 川口:幾つか。まずはアトランタオリンピックのときにブラジルと対戦したときですね。ロベルト・カルロス選手のシュートをキャッチしたときですね。あれは自分でもキャッチできるとは正直思わなかったです。ただ、トレーニングのときにマリオコーチから、とにかくキャッチだと、キャッチしないとトレーニング終わらせてくれなかったんですよ。そのトレーニングのたまものでロベルト・カルロス選手のシュートをキャッチすることができた。 あともう1つは、数多くあるんですけど、なんだろうな。うーん。それもブラジルと対戦したときだったんですけど、ドイツワールドカップのときに前半ですかね、ジュニーニョ・ペルナンブカーノ選手のシュートを指先1本で触ったシーンがあったんですけど、あのシーンは、ちょっとでも指の位置がずれていたら、もしかしたら指が折れていたかもしれないですね。それぐらい強烈なシュートだったので。ほかにも数多くあると思うんですけど、その2つは自分にとって忘れられないセーブの1つ、2つか。そうですね。 テレビ朝日:自分自身に妥協しない選手というイメージなんですけれども、ご自身の理想のゴールキーパー像というのはなんだったんでしょうか。 川口:理想のゴールキーパーというか、自分のプレースタイルというのはサッカーとともに当然進化させなければいけないんですけど、やっぱりゴールマウスをしっかり守るということが前提の上、より攻撃的に、広い守備範囲の、そこがベースになって、攻撃的なフィード、常に攻撃の第一歩としてプレーする。そして広い守備範囲でゴールを守り、やっぱり失敗を恐れない。それがやはり自分の理想のゴールキーパーというふうに僕は思います。 テレビ朝日:それに近づけましたか。 川口:そうですね、今まで一度も自分の完成形に近づいたと思ったことはなかったので、それが自分にはできなかったことを将来、自分が指導者になったときに、そういう選手を育てたいなというふうに思います。 テレビ朝日:では最後に今後についてどのように考えていらっしゃるか、お話しください。 川口:今後についてはやっぱり自分はサッカーでここまで、サッカーをして人生を歩んできましたので、やはり現場で、指導者として自分の経験したことを伝えたいし、また自分も指導者としてサッカーは常に進化していますから、そのための勉強というのをこれからもしていきたい。指導者になるための歩みをしっかりと始めたいというふうに思っています。 テレビ朝日:ありがとうございます。代表からは以上です。 司会:はい、ありがとうございました。続いては係の者がマイクをお持ちしますので、ご質問のある方は挙手をお願いいたします。またご質問の際は会社名とお名前をおっしゃっていただきますようにお願いします。それでは前のほうから、はい。じゃあ、お願いいたします。 【書き起こし】サッカー・川口能活選手が引退会見 全文2に続く