黒部の新たな観光ルートを取材した、富山県が挑む「世界ブランド化」と周遊観光、黒部宇奈月キャニオンルートとは?
新幹線効果で県内や北陸内の周遊促進に期待
キャニオンルートの受け入れ人数は年間最大1万人、初年度は8180人でスタートする。数に限りがあるなか、高田氏は「基本コースは1泊2日だが、できればもう1泊して立山黒部エリアはもちろん、他の地域をあわせた周遊をしてほしい。県内全域にキャニオンルートの効果が波及できるような形で準備をしたい」と期待する。 2024年3月16日には、北陸新幹線が福井県敦賀まで延伸。10月からは、JRグループの北陸デスティネーションキャンペーン(DC)が予定されており、昨秋には北陸DCに向けた「全国宣伝販売促進会議」が開催された。富山県は海越しに立山連峰を望む団体向けの富山湾クルーズなどの新コンテンツを含め、100以上の観光素材を紹介。高田氏は「県内の周遊はもちろん、新幹線の延伸によって北陸3県が1時間程度で移動できるようになる。周遊観光を売り込んでいきたい」と話す。 その目玉の1つとして、キャニオンルートにも期待がかかる。「先人が発電所とダムを造った歴史に終わらず、今も続く現在進行形の場所であり、再生可能エネルギーの発電所として未来に引き継いでいかなければならない場所でもある。過去、現在、未来を感じることができるのが、キャニオンルートの一番の魅力。多くの方に訪れてほしい」と力を込める。 先人の思いを現在も生かし、未来に続けていく新たな立山黒部エリアの観光が、今年から始まる。
トラベルボイス編集部