リアルな絵は「おせち」そのもの! 話題の絵本、発売前から重版に 料理に込められた「願い」伝える
「くろまめ ぴかぴか あまい まめ まめまめしく くらせますように」ーー。おせち料理をテーマにした福音館書店の月刊絵本が昨年、話題になりました。発売後まもなく完売して緊急重版という異例の事態に。読者の声に応えて今年11月、新たにハードカバーが発売されました。担当者によると、ハードカバーも発売前から重版が決まるほどの人気だそうです。 【画像】大人気の絵本『おせち』 大人も感動の内容
異例の早さでハードカバー化
話題の絵本『おせち』(文・絵 内田有美/料理 満留<みつどめ>邦子/監修 三浦康子)は、本物のおせちそっくりのイラストとともに、子孫繁栄や無病息災など料理に込められた「願い」について書かれています。 2023年12月上旬に、福音館書店が毎月発行する、4~5歳を対象にした月刊絵本「こどものとも年中向き」2024年1月号として刊行されました。 月刊絵本の読者は定期購読が中心ですが、書店に置かれていたり、在庫があったりすれば1冊でも購入できます。『おせち』は発売後10日で品切れになったため追加で計9000部増刷されました。 しかし、増刷分もすぐに完売し、ハードカバー化を望む声が多く寄せられていたそうです。 「親が読みたくて図書館で借りたところ、2歳の息子に大当たりでした。毎晩寝る前に読んで読んでとせがんできました。ハードカバーになることを切に願っています!」という声もあったといいます。 福音館書店の絵本は、「ぐりとぐら」シリーズをはじめ、「だるまちゃん」シリーズや『はじめてのおつかい』など、月刊絵本として反響のあった作品がハードカバーで出版され、ロングセラーとなっています。 しかし、月刊絵本の刊行から1年経たずしてのハードカバー化は、福音館書店にとって異例の早さです。 宣伝課の課長・池田葵さんは、「当社では、月刊誌は約3年間在庫を持つというルールがありますので、ハードカバー化は3年後以降となることが多いです。『おせち』は発売からほぼ1か月で在庫がなくなってしまったため、手に入らなかった読者のみなさまのためにも、早期のハードカバー化を決断しました」と話します。 「異例の早さでのハードカバー化ですが、2025年のお正月には間に合せたいと社内で考えました」