運転が好きになる小型車「スズキ スイフト」
2023年12月に発表された新型の「スズキ スイフト」はドイツのアウトビルトでも評価が高い(https://autobild.jp/35547/)。そんな新型「スズキ スイフト MZ」に、小型車を愛する大林晃平が1000㎞ほど試乗した。
「やっぱり紙のカタログってとっても大切だと思うんですよ。スズキ自動車ではやめるっていう予定はありません。自動車という商品を買っていただくためには、エモーショナルな紙カタログって絶対に必要だと思っています」
新橋の一角にあるスズキ自動車株式会社広報部に、今回お貸しいただいたスイフトをピックアップしにいった際、東京広報課の井門さんは嬉しそうにそう言った。実際に昨今、自動車の紙のカタログは廃止方向にあり、トヨタ自動車でさえも今年いっぱいで辞めると聞く。数年前にとある輸入車ディーラーで名刺大のQRコードを渡されながら「うちはカタログ廃止しましたので、これで」と言われたときには軽いショックさえ受けたものだ。
子どもの頃からカタログを飽きずに眺め、今でも寝酒代わりにカタログを見るような人間にとって、やはりカタログがなくなるという事実は後頭部を軽く殴られるくらいの衝撃である。いや、僕だけのハナシではなく、カタログが自動車を買わせた、あるいは最後の後押しをしたという思い出は皆さまにもあるだろうし、スマホもタブレットも苦手な方は自動車の購入をそろそろ諦めなさい、ということではないだろうけれど…… と、ちょっとダラダラ長く語ってしまったが、立派な「紙媒体」の中綴じの本カタログとオプションカタログ、そして「いちいち諸元表を指で拡大するのは大変でしょう」と、これまた井門さんがプリントアウトしてくださったプレスリリースが入ったスズキの封筒を受け取りながら、今回の試乗車である、きれいなブルーとブラックのツートンカラーに塗られたスイフト最上位グレードのMZに乗り込む時点で、単純で申し訳ないがこちらの期待値がはかなり上がったことは事実である。
そんなスイフトに乗り込んでまずおっと感じたことは、立派な大きさとしっかりした作りのシート、完備されたセーフティデバイスの数々、そして昨今珍しくちゃんとセンターコンソールに組み込まれたCD・DVDのスロットである。世の中すべての人が、音楽をUSBメモリーやスマートフォンに入れ替えて聴くことができるわけではないし、この配慮は還暦前のプチジジイには本当にありがたい。