あなたは知っていますか? 「日本点字図書館」でできること
読書、それは老若男女問わず楽しめる娯楽。しかし、目の不自由な方や見えにくい方にとってはハードルを感じてしまうもの。そのハードルをなくしてくれるのが点字図書、録音図書の存在です。ニッポン放送「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」では録音図書=「声の図書」について、集まった募金の一部を、「声の図書」の制作のために日本点字図書館に寄付させていただいています。今回、東京都新宿区高田馬場駅から徒歩5分のところにある「社会福祉法人 日本点字図書館」を取材しその実態を学んできました。教えてくださったのは日本点字図書館の石出恵さんです。
1940年に開館した日本点字図書館。今では年間約17万タイトルを貸し出す日本最大級の点字図書館となっています。まず石出さんがおっしゃっていたのはそのような点字図書ができるまでの時間についてです。一冊の本をつくるまで多くの手間暇がかかり、特に録音図書は一冊あたり数か月の時間がかかるそうです。録音図書は、セリフ部分の声色を変えたりすることはなく、どちらかというと抑揚などつけず淡々と読むのがポイントだそうです。最近は合成音声も普及してきていますが、人の声で読まれたものは、合成音声とは違い呼吸などの「間(ま)」が心地よいという方が多いのだとか。点字を使用できる方は点字図書と録音図書を使い分けている方が多いそうですが、点字を読める方が少ないので、録音図書が多く使われているのだそうです。
「どんな本がよく読まれますか?」という質問に対して石出さんは「新作を読んでみたい、賞を受賞した本を読んでみたい、というごく普通の要望が多いです」と答えてくださいました。どんな境遇の人も、娯楽として本を読みたいという欲求は同じ。そこに応えてくれるのが日本点字図書館の存在です。ただ、この図書館の存在を知らない人がまだまだいることが課題となっています。例えば、目が見えにくくなった時に、本を読むといった娯楽を自らシャットダウンしてしまったり、そもそもこのような図書館の存在を知らなかったり、情報が不足しているからこそシャッターを下ろしてしまう人も多いそうです。ニッポン放送「ラジオ・チャリティ・ミュージックソン」を通じてもっとこの図書館の存在を広く知ってもらいたいと痛感しました。