清武弘嗣がお別れセレモニーでC大阪サポーターに感謝…「本当に皆さんに支えられていた」
12月23日、セレッソ大阪を退団する清武弘嗣が自ら希望してお別れセレモニーを開催。ヨドコウ桜スタジアムに駆け付けた1913人のファン・サポーターに向けて、感謝の言葉を直接伝えた。 2010年に大分トリニータからセレッソ大阪へ移籍。当時は20歳だった。「何も分からない僕を本当に温かく迎えてくれた」と懐かしみ、「すごく人見知りでトゲトゲけしていた。ファンサービスも全然良くなかったと思う。本当にその時はすみませんでした(苦笑)」と笑いを誘った。 その後、ロンドン・オリンピックで4位入賞に貢献した直後にヨーロッパへと飛躍。ドイツとスペインで4シーズン半にわたって活躍し、2017年に電撃的にセレッソへの復帰を果たした。 「『一生このクラブでサッカーをして引退もするんだろうな』と思って帰ってきました。セレッソのためにやる、という気持ちは僕の中ですごくあって、その年に二冠を取れて、すごくうれしかったのを覚えてます。ただ、2017年に帰ってきて、今日まで自分が思い描いていたサッカー生活ではありませんでした。ケガばっかりの7年半。稼働率はめちゃくちゃ悪くて、今もすごく悩んでいます。けど、そんな時に支えてくれたのは、ここにいるサポーターの皆さんの応援があったからだと思います。いつも『キヨと一緒に』とか、『キヨのために』か、『キヨと一緒にタイトルを取りたい』とか、そういうふうにいつも言ってくれて、僕はこの7年半、本当に皆さんに支えられてサッカーができていたんだと思います」 2019シーズンからは5年連続でキャプテンの重責を担い、チームを引っ張ってきた。その一方で肉離れを繰り返し、「引退を何回考えたか分からない」と苦しみも味わい尽くした。「キャリアがいつ終わってもおかしくない」とこぼすほど追い込まれ、悩み、もがいていた。それでも何度も立ち上がり、ピッチに帰ってきた。その姿に励まされ、勇気をもらったファン・サポーターも多いだろう。 目標としていたJ1リーグ優勝はかなえられず、「それが唯一の心残り」と悔しさをにじませる。それでも、清武は胸を張る。「10年半、本当にこのクラブのためにやってきたっていう自負があります。このクラブのために戦って……『自分がしっかりやれた』という気持ちはありますし、セレッソで過ごした10年半は素晴らしいサッカー人生だった」 「僕はいなくなりますが、これからも残る選手、そして新しく来る選手、本当にこれからもセレッソ大阪を応援してほしいと思います。 僕はまだまだ引退しないので、これからも僕のことを応援してくれたらうれしいです。10年半支えてくれて、本当にありがとうございました」 会場にはチームメートも多く駆けつけ、今シーズンいっぱいで現役を引退した山下達也から花束を受け取った清武。為田大貴、舩木翔、喜田陽、西尾隆矢、北野颯太、阪田澪哉らと集合写真に収まったあとは、ファン・サポーターと“キヨタケダンス”を踊り、お互いに別れを惜しんだ。 最後には、本人の希望でファン・サポーターとハイタッチをしてお見送り。約1時間半をかけて、10シーズン半の感謝の思いを一人ひとりに直接伝えた。 ファン・サポーターに愛された“桜のファンタジスタ”。その功績はクラブ史とファン・サポーターの記憶に残り続ける。 取材・文=山本剛央
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