異例の検事証人尋問、大阪地裁 特捜部、問われる適正捜査
大阪地検特捜部が捜査した業務上横領事件で、無罪が確定した不動産会社の元社長が違法な取り調べがあったとして国に7億7千万円の賠償を求めた訴訟で、検事4人の証人尋問が11日から大阪地裁で始まる。当時の取り調べ録画映像も再生される。検察独自捜査で取り調べを担当した検事が出廷し、尋問されるのは異例。 事件では検事らが取り調べた関係者の供述の信用性が否定され、無罪につながった。元社長の逮捕を待つよう現場の検事が進言していたことも判明しており、適正な捜査だったのか改めて問われることになりそうだ。 訴訟を起こしたのは、不動産会社プレサンスコーポレーション(大阪市)の元社長山岸忍氏(61)。土地の売却資金21億円の横領を共謀したとして、2019年に特捜部に逮捕、起訴された。大阪地裁は21年、共謀があったとする検察側の主張を退け、無罪判決を言い渡した。 出廷するのは、主任検事だった蜂須賀三紀雄・神戸地検刑事部長(51)や、山岸氏の元部下=業務上横領罪で有罪確定=を担当した田渕大輔・東京高検検事(52)ら4人。