更年期の気分の落ち込みは「イワシの香草焼き」で解消!【身近な食材だけの簡単「薬膳」で不調を改善!⑦】
更年期になると、なんとなく元気が出ない、意味もなく落ち込むといった症状が現れることがある。こんな「メンタル落ち」の状況は、東洋医学的にはどのようにとらえ、どのようなものを食べて対処したらいいのだろうか? 薬膳料理研究家の谷口ももよさんに提案してもらった。
気を補い、血を巡らせるイワシで気分アップ!
更年期では、ほてったり汗をかいたりといった体の症状だけでなく、やる気が出ない、漠然と将来に不安を感じる、意味もなく落ち込むといった、抑うつ的なメンタル不調が現れることがある。 「体を温めたり、代謝を促し、エネルギーのもととなる『気(き)』が足りなくなると、疲れやすく、気持ちも落ち込み、やる気が出ません。また、血液が流れにくく、体内に血が滞ってしまうことを『血瘀(けつお)』といいますが、この血瘀の状態でも、メンタル不調や手足の冷えなどが現れます。 こうした、元気ややる気が出ないといった不調には、『気』を補い、『血(けつ)』の巡りをよくすることが大切です。おすすめの食材がイワシです。 イワシは気と血を補いながら、巡りを整えます。今回はこれに、さらに気と血の巡りをサポートする、香り高いパセリとにんにくをたっぷりまぶして、オリーブオイルでカラリと焼きました」(谷口さん)
【薬膳ポイント】 ●イワシ 薬膳では「温性」の食材とされ、肝と腎を高めて、血を補い、巡りをよくする「活血(かっけつ)」作用に優れている。精神を安定させ、疲れやすいといった不調の改善、体を温める効果もあるので冷えの改善にも。また脳の機能アップ、目の疲れにもよいとされている。 ◆イワシの香草焼き(2人分) イワシ(三枚おろし)4尾にしっかり塩・こしょう各少々をして、小麦粉大さじ1を両面に薄くつけ、その上にみじん切りパセリ大さじ3の半量をつける。 ※丸のままのイワシの場合は、三枚におろして同様に。 フライパンにオリーブオイル大さじ3をひき、にんにく(みじん切り)大さじ1をきつね色になるまで焼いて、いったん取り出す。 イワシを皮目から、両面をしっかり焼き、器に盛りつけ、残りのパセリと焼いたにんにくをのせる。 「食べる直前に好みでレモン汁を搾ると、さらに気の巡り効果がアップ! イワシでなくても、アジやサンマなど青魚なら何に変更してもOK。カラリと焼いたサクサクの食感も、気分をアゲてくれます」