車いす生活のリアルを発信 女性YouTuber「心のバリアフリー」誰かのきっかけに
車いす生活の実情など障がいのリアルをYouTube「しょうこちゃんねる」で発信している熊本在住の高橋尚子さん(31)。チャンネル登録者は約8万人で、同じ境遇の人たちなどから多くのメッセージが寄せられています。 【動画】高校3年生で交通事故…鎖骨から下が麻痺 車いす人気YouTuberに密着 「この動画を見てオシャレが自分でできると思って、とても参考になりました」 「尚子さんのYouTube動画を見て、やけくそになっていた自分から初めて立ち直ることができました」
尚子さんは2011年1月、高校3年生のときに、交通事故にあいました。卓球の全日本選手権を終えて、空港から寮に帰る途中のことでした。頚髄を損傷した影響で、鎖骨から下が麻痺。両手両足が動かなくなりました。 「歩けないと言われたけど、歩けないことをあんまり理解できていなくて。ずっと卓球を頑張ってきて、卓球のことが好きだったので『卓球できなくなるんだ』って、そっちがすごく悲しかったのは覚えています」 状況をなかなか受け入れられず、5年ほどふさぎ込む日々が続いた尚子さん。そんなとき、ある出来事が背中を押してくれました。 「今でも通っている美容室。2階にあって、エレベーターなくって階段だったんですよ。『すみません、私車いすだし歩けないんです。帰ります』みたいなことを言ったら、男手3人で車いすごと担いで連れて行ってくれて『なんてこんなに優しい人がいるんだ』みたいな。初めて心のバリアフリーというものに触れた瞬間」
“ちょっとの思いやり”や“声かけ”が「心のバリアフリー」になると実感し、自身の体験などをYoutubeで伝えることにしました。 「物理的なバリアを人の優しさで解決できますよ、あなたが手を差し伸べてくれることで救われる人がいるんですよ、ってことを『心のバリアフリー』と言うと思うんです」
YouTubeのほかにも…新たな挑戦
今年6月からは「バリアフリーメディア」の運営にも挑戦しています。 障がいがある人や足が悪い人、ベビーカーを使う人などに向けたウェブサイトでお出かけ情報を発信。車いすで生活する人にとって気になる駐車場やトイレの広さ、道がでこぼこしていないかや、段差がないかなど現地で取材して、写真とともに伝えています。