本業はウナギの養殖…母校の県立高バスケ部を率い12度目のウインターカップ 信条は米国人選手に教わった意外な言葉
■「かお」 川内高校バスケットボール部監督の田中俊一(たなか・しゅんいち)さん 23日に東京で開幕する全国高校バスケットボール選手権に鹿児島県立川内高校の監督として出場する。同校を率いて30年超で通算12度目の県代表。「何度出ても胸がわくわくする舞台。選手が成長し、変わっていく姿を見るのが楽しみ」と67歳の今も少年のように目を輝かせる。 部のOBで、明治大を経て当時日本リーグに所属していた東芝に入社。チームのマネジメントなど裏方を経験した。家業の養鰻を継ぐために34歳でUターンすると、低迷していた母校から外部コーチとして白羽の矢が立った。 東芝時代の米国人選手に教わった言葉「バスケは我慢のスポーツ」が指導の基本にある。「米国は派手なイメージがあるが、そこを強調していたのが印象的だった。今も忘れない」。信条とするのは、基本を徹底した粘り強いプレー。選手たちには「苦しい時、うまくいかない時に頼りになる選手、人間を目指そう」と語りかける。
公立校ゆえに練習時間が短いなど苦悩もある。平日は試合形式の練習を徹底し、試合の中で考える習慣を身につけさせている。監督として「個々の成長や変化を見逃さない目が大事。成功体験や苦悩を共有することを大切にしたい」と話す。 練習に行く時間を確保するため朝3時からウナギに餌やりする毎日。「大好きなバスケットに携われて幸せ。家族や従業員の支えのおかげ」と感謝する。子どもたちも巣立ち、薩摩川内市に妻の優子さんと2人暮らし。 ◇全国高校バスケ、きょう23日開幕 バスケットボールの第77回全国高校選手権は23日、東京体育館などで開幕する。男女とも各県予選を勝ち抜いた60チームが頂点を目指す。 鹿児島県勢は3年ぶり出場の女子・れいめいが湯沢翔北(秋田)と初戦を戦う。2年連続出場の男子・川内は24日に国学院久我山(東京)と対戦する。 大会は女子が28日、男子は29日まで。
南日本新聞 | 鹿児島
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