バイデン撤退の民主党を尻目に銃撃からも生還、絶好調で"ほぼ確トラ"に? 超リアル予測!! 「帰ってきたトランプ」2期目は何する!?
■トランプとうまくやる「3つの条件」 次に、トランプ自身が得意分野であると自任する通商・経済分野について。日米・米中関係を中心に通商、経済安全保障政策の分析を専門とするオウルズコンサルティンググループ・シニアフェローの菅原淳一氏が解説する。 「通商分野に関しては、関税で自国産業を保護する、脱炭素関連の施策や規制は廃止する、中国から戦略的に自立するなど、自身の信念に基づいた政策を掲げています。 1期目でもまるでスタンプラリーのように公約を忠実に実行しようとしましたし、2期目では彼にモノを言えるスタッフが1期目以上に少ないでしょうから、たとえ他国に悪影響を与えようとも、法案が議会を通れば公約をどんどん推し進めていくと予測します」 関税については、同盟国も含む全輸入品に一律10%以上、さらに中国からの輸入品には60%以上を課すと表明している。 「公約には『関税はディール(交渉)のためのパワーである』と書いてあります。はっきり言えば、高関税で脅しながら二国間交渉で〝個別撃破〟し、アメリカにとって有利な条件を勝ち取っていくということです。 また中国に関しては、バイデン政権がメスによる外科手術なら、トランプ政権はハンマーでたたきつぶすという比喩がよく使われます。 公約集には電子機器や鉄鋼などの中国からの輸入を4年間でゼロにするとまで明記されており、完全にデカップリング(分断)へと向かうでしょう。当然、その手法では自国への返り血も大きいですし、日本も含め各国への悪影響も避けられません」 ところで、高関税や減税、各種の規制撤廃は、経済の原則からいえばいずれもインフレ要因となる。一方でトランプは「インフレは抑制する」とも豪語しているが、この矛盾はどう解決するのか? 「彼の頭の中では矛盾していないのでしょうが、政策全体を見るとどこかで破綻が生じる可能性は高い。そこで怖いのが、金利と為替です。 彼が公約を忠実に実行した結果、物価が上がっていけば、『FRB(米連邦準備制度理事会=中央銀行)が無能だからだ』などといって中銀の独立性を脅かしかねず、マーケットに負の影響を与えます。 あるいは、もし輸出が伸びなければ『相手国が不当な為替操作をしている』と言い出すことも考えられます。中国元以外で狙われる可能性が高いのは、日本円とベトナムのドンでしょう。先日行なわれたインタビューでも日本円は名指しで非難されており、このあたりの圧力は警戒する必要があります」 では、もし2期目が発足した場合、トランプ政権と日本がうまくやっていくには? 「日本とアメリカの貿易投資関係はゼロサムではなくウィンウィンであり、日本がアメリカで多くの雇用も生み出していることを、わかりやすくトランプ氏に理解してもらうこと。そして誤解を恐れずに言えば、それができる〝第2の安倍晋三元首相〟をどうつくり上げるかというところだと思います」 この点について、前出の小谷氏はこう説明する。 「これはトランプ氏の側近から実際に聞いた話ですが、トランプ氏とうまく付き合うには3つ条件があるそうです。 まず忍耐力。彼の発言にいちいち目くじらを立てていたらやっていけません。安倍元首相も、日米同盟は片務的だと何度言われても、繰り返し丁寧に説明してようやくわかってもらえたそうです。 次に国内の権力基盤。自国で権力を振るえないような人を相手にしても仕方ないですから、トランプ氏はそこを見て対応を変えてくるそうです。 そして、もうひとつはゴルフ。しかも中途半端ではバカにされるだけで、彼と一緒に回れるだけの技術があった上で、うまくやることが必要だということでした」 現職の岸田文雄首相も含め、今の状況では誰が首相になっても権力基盤の条件を満たすことはできなそう......。 写真/AP/アフロ AFP=時事