広島・新井貴浩監督、サインに「感謝」を添える理由
【球界ここだけの話】サインをするときの所作や書き方は人の心を映し出す。広島・新井貴浩監督(47)はサインを求められると笑顔で対応。そして、時間があるときには「carp 新井 25」と記した右側に「感謝」のひとことを添える。 【写真】春季キャンプで新井貴浩監督のサインを求め、出待ちする多くのファン 「(感謝を添えることを)そんなに意識はしていないけど、時間があるときに書くだけかな。座右の銘ではないけど好きな言葉かな」 「感謝」を辞書で引くと「ありがたいと思う気持ち」「ありがたさを伝えること」と書かれている。現役時代の新井氏は1999年にドラフト6位で駒大から入団し、猛練習の末に主力打者に成長。2008年に同一リーグのライバルの阪神にFA移籍し、15年に復帰した広島では16~18年にリーグ3連覇を経験。阪神から広島に戻ってきたときに温かく受け入れてもらったカープ、ファンへの感謝の思いは尽きない。 同監督のサインは変化している。例えば初期の頃は「新井」の「新」が崩した筆記体で記されているが、現在は波打つような二本線に変化。その他、「carp」、「tigers」のバージョンや「感謝」の有無と数種類のパターンがある。 常々、「ファンあってのプロ野球」と口にする将は現役時代からサービス旺盛で、2023年に監督就任後もキャンプ地ではサイン会をほぼ毎日実施している。全体練習後、球場に残っているファン全員にファンサービス。多くの人でにぎわう週末には1時間を超えることがあるが、最後までサインペンを手に色紙やボール、グッズに名を記す。 「周りに感謝してってところだよね」 今季は夏場までリーグ王者になった巨人と優勝争いをしたが、9月に球団ワーストの月間20敗と急失速し最終的に4位に終わった。2年ぶりにクライマックスシリーズ出場を逃し、今秋は鍛錬の日々。7年ぶりのリーグ優勝を狙う2025年シーズンも「感謝」の思いを胸に背番号「25」のユニホームに袖を通す。(柏村翔)