【データで裏付け】中日・岡林勇希、復活のカギは「強いライナー」と「弱いゴロ」 チームの「顔」に何が起きているのか…
◇データで裏付け 専門家が分析 上位進出へ向け復調が待たれるのが、中日・岡林勇希外野手(22)だ。今季から背番号も「60」から「1」に変更。さらなる飛躍を期待されたが、オープン戦で右肩を痛め、開幕は2軍スタートを余儀なくされた。その影響からか、4月19日の阪神戦から戦列復帰したものの打率は1割8分8厘とまさかの低空飛行。伸び盛りの若竜に何が起きているのか。データで解析した。 (記録は24日現在) 交流戦を終えてから3試合連続でスタメンを外れるなど、岡林の状態が上がってきません。昨季まで2年連続でベストナイン、ゴールデングラブ賞を受賞するなどチームの「顔」となっていただけに、今季の不振は大きな誤算となっています。
過去2年と比較し、三振割合と四球割合を示したのが(表1)になります。岡林は基本的に積極的にバットを振っていくタイプで、一般的な打者と比較して三振や四球が多くありません。ボール球の見極め(表2)やゾーンに関係なくスイング時のコンタクト率(表3)は過去2年と比較しても大きな変化はありません。打つor打たないの判断も、打つと決めてからのバットに当てるコンタクト能力の高さも変わっていません。
問題はバットに当てた後の打球の行方にあります。データスタジアムでは打球をゴロ、フライ、ライナーの3つの区分で打球性質を定義し、それぞれ打球を強い順からA・B・Cで振り分けています。最も安打となりやすいのはライナーのAで(表4)。本塁打を連発するようなパワーヒッターではない岡林の場合は最も理想的な打球と言えます。
打球性質の内訳を今季と昨季で比較したのが(表5、6)。ゴロBの減少とフライBの増加が目につきます。長打の確率を秘めるフライの打球ですが、中程度の強度の打球は外野手に阻まれる確率も高く、安打の確率で言えばゴロBを下回ります。昨季よりも打球に角度は付けられているものの、パワーが足らずに凡打のフライが増えていると言えるかもしれません。