【独自に3D化】「どこから?」廃炉を阻むナゾの物質 福島第一原発 デブリへの唯一のルート塞ぐのは…
日テレNEWS NNN
東京電力福島第一原発の事故から13年。いまだ2万6000人以上の福島県民が避難生活を続けている。40年で廃炉を完了するとしてきたが、その3分の1が経過した。 ″廃炉の本丸″と言われるのは「溶け落ちた核燃料=燃料デブリ」の取り出しだ。しかしその作業をやり通せる技術的目処は立っていない。燃料デブリ取り出しがどのように難航しているのか。日本テレビは現地で探るとともに、その原因を映像化した。 ◇ 東京電力福島第一廃炉推進カンパニー 髙原憲一リスクコミュニケーター 「30~40年と言っている廃炉までの期間をですね、伸ばすのか縮めるのかみたいな 判断が現況できないんだと」 福島第一原発の事故から13年。ずらりと並ぶ処理水のタンクのそばで、廃炉に向き合ってきた東京電力の担当者はこう口にした。
案内されたのは、震災当時、メルトダウン事故を免れた5号機の中心部。事故が起きた2号機と似た構造をしている。 核燃料が装填される原子炉圧力容器の真下に入った。
東京電力福島第一廃炉推進カンパニー 髙原憲一リスクコミュニケーター 「(事故が起きた)2号機は融解した燃料がこういった構造物を巻き込んだ上で落ちていって燃料デブリという冷え固まった状態になっている」 2号機のこの場所には核燃料が溶け落ち、茶色い無数の石のような燃料デブリが、こびりついているように見える。強い放射線を出すため、人間は近づくことができない。燃料デブリに触れた水は汚染水となり、大量の処理水を生み出す要因になっている。 東京電力福島第一廃炉推進カンパニー 髙原憲一リスクコミュニケーター 「我々はですね、燃料デブリをよく「本丸」と言っています」 「ここを達成しない限りは本当の意味でのリスク低減にはならない」
全ての燃料デブリを建屋から取り出し、安全に保管することが廃炉の最終目的だという。その作業を廃炉の「本丸」と呼ぶが、溶け落ちた燃料デブリの総量は推定880トン。 現時で技術的に取り出せるのは”耳かき一杯程度”に過ぎず、さらにその”耳かき一杯程度”の取り出し作業について、開始時期はすでに2年半遅れている。 どうやって燃料デブリを取り出そうとしているのか。