【独自に3D化】「どこから?」廃炉を阻むナゾの物質 福島第一原発 デブリへの唯一のルート塞ぐのは…
デブリにアクセスする唯一の突破口とも言える穴がある。 東京電力福島第一廃炉推進カンパニー 髙原憲一リスクコミュニケーター 「これが原子炉格納容器の中と外をつなぐ貫通孔、通称『X6ペネ』と言っています」
定期点検の際、中心部に器具を運ぶための作業用の穴「X6ペネ」。 直径60センチほどのこの穴を利用して、圧力容器の真下にロボットアームを差し込み、その下に溶け落ちた燃料デブリを取り出そうとしている。
5号機のX6ペネに小型カメラを入れた。内部には作業用のケーブルなどが置いてあった。2メートルほどの穴を通り抜けると、燃料デブリが溶けて落ちている場所の真上までスムーズに到達できる。 しかし去年、2号機のX6ペネの蓋を開けたところ…。
入り口には何らかの物質が詰まっていて、ロボットアームを入れられるような状態ではなかった。 びっしり詰まったX6ペネの中はどうなっているのか。日本テレビは東京電力が作成した3Dデータを基に、2号機のX6ペネ内部を3Dで可視化した。
入り口付近には分厚い堆積物。 元々穴の中にあったとみられる、作業用ケーブルのような凹凸も見える。 堆積物を棒で突き崩そうとするも、ロボットアームを入れられるほど除去できず、ごく少量からのデブリ取り出し計画すら、入り口から足踏みしている。
横から見ると、画像の緑色の部分、穴の入り口に謎の物質がたまっていた。 去年末に開かれた原子力規制委員会の検討会でも、この堆積物が一体何なのか議論になった。 東京電力福島第一廃炉推進カンパニー燃料デブリ取り出しプログラム部 久米田正邦GM 「3Dスキャンの結果から堆積物量約140Lであろうということを試算しております。これに対して当時残置していたケーブルにつきましては約40L程度であろうと」 原子力規制庁 安井正也企画調査官 「この140Lはどこから来たのだと」 原子力規制委員会 山中伸介委員長 「分からない物量が100Lぐらいあるわけですよね。鉄にしろ何にしろ」 「炉心から来たものでないと、これぐらいの量はちょっと想像し難い」