再稼働の女川原発2号機、原子炉を停止へ…発電開始作業で機器不具合
東北電力は3日、再稼働した女川原子力発電所(宮城県女川町、石巻市)2号機(出力82・5万キロ・ワット)について、同日予定していた発電開始の作業で機器に不具合があり、点検のため原子炉を停止すると発表した。東北電は安全性に問題はないとしており、機器の点検後に再び原子炉を起動し、発電作業に入る。12月頃を予定している営業運転の再開への影響は確認中という。
東北電によると、3日午前4時、出力を15万キロ・ワットに引き上げる試験的な発電を始め、本格発電を前に関係する機器を検査していた。
この検査の過程で、原子炉内の中性子を計測する機器が正常に作動しているかを確認するため、ケーブルにつなげた別の機器を原子炉内に入れたが、回収する途中で動かなくなった。機器は手動で引き抜いた。東北電は不具合の原因を調査している。
東北電の渡辺宣城・原子力部副部長は同日夜に記者会見し、「原因調査を行い、引き続き安全確保を最優先に、一つ一つのプロセスにしっかりと対応していく」と述べた。準備が整い次第、原子炉を停止するという。
女川原発2号機は10月29日、13年7か月ぶりに再稼働した。東日本大震災後、被災地の原発が再稼働するのは初めてで、東京電力福島第一原発と同じ沸騰水型軽水炉(BWR)の再稼働も初となった。
翌日の同30日には、核分裂反応が安定して続く「臨界」に到達した。東北電は当初、今月7日の発電開始を想定していたが、準備作業が早く終わるめどが立ったとして、日程を3日に前倒しすると発表していた。