豪邸建築家・森山善之が明かした究極の豪邸のお引っ越し事情
数々の豪邸を設計してきた建築家の森山善之さん。依頼者からはライフスタイル全般の相談を受けることが多くなってきたといいます。竣工後の暮らしかたまで必要に応じてコーディネートするのも今やラグジュアリーな住宅を設計する建築家の仕事。森山さんの場合、求められたサービスのプロフェッショナルへ協力を求めていくうちに、自然と引っ越しも含めたチームが出来上がってきたそうです。 【写真集】豪邸の究極のお引っ越し術は…何もしないこと!?
豪邸の引っ越しは数カ月にも及ぶビッグプロジェクト!
実際に荷物を運ぶだけでなく、「完成した家を暮らしやすいように整える」ところまでを引っ越しとすると、豪邸の引っ越しは完了するまでに平均して約3カ月を要するのだとか。既存の荷物の梱包、開梱をする担当はそれぞれプロが担当し、いわゆる一般的な引っ越し業者は単に荷物の運搬だけというケースがほとんど。実は本格的な引っ越し作業は、新居に移ってから一斉に作業がスタートするといいます。
完全な分業制が基本!豪邸を快適な住空間に仕立てるドリームチーム
ここであくまでも一例ですが、豪邸の引っ越しで登場するチームをピックアップしてご紹介します。 ・家具などの大きなものを配置するスタイリング担当 ・電気担当は家電の購入から設置、調整まですべて行う ・衣類やその他雑貨の収納はプロの収納アドバイザーが担当 ・アートや調度品などはギャラリーのギャラリストが完全管理 ・観葉植物も専門のプロが樹種選びからメンテナンスまで実施 ・その他の雑貨類全般もコンシェルジュがきめ細やかに対応
本当にオーナーは何もしなくていいのか!?実は重要な役割が
ここまでくるとオーナーは何もしていないように思えるかもしれませんが、オーナーの大切な役割があります。それは、各場面で「選択する」こと。いくらプロフェッショナルが選んだとしても、実際にその空間に住んで、使うのは住み手=オーナーです。選択だけすればいいんだ、と思われるかもしれませんが、それが度重なると楽ともいい切れません。ここでしっかり自分たちのライフスタイルや趣味嗜好を把握したうえでのセレクトをいかに的確にしていくかが重要になります。
豪邸といえども単純に人まかせだったり、丸投げでもなさそうなお引っ越し。今回の担当チームはあくまでも一例で、オーナーによっても編成はさまざま。とはいえ、1軒の豪邸が完成してオーナーに引き渡されて住空間が整い、すばらしい邸宅が生まれ、人々が生活を始める過程を想像するだけで、とても興味深いものがありますね。