石川柊太を逃し、田中将大を獲った巨人 菅野智之の「貯金12」の穴をどう埋めればよいのか
新天地はボルチモアでした。 海外FA権を取得し、巨人から米大リーグのオリオールズに移籍が決まった菅野智之です。契約は1年で、米メディアによれば年俸は1300万ドル(約20億円)と報じられています。 【動画】巨人の大エース・菅野智之の「歴史的な」奪三振シーン 昨季の4勝8敗から見事にV字回復。15勝3敗で4年ぶりリーグ優勝の原動力となりました。セ・リーグMVPの成績にふさわしい、堂々のメジャー挑戦といえるでしょう。 問題は巨人です。2024年シーズンは77勝59敗7分けの貯金18。そのうち12の貯金を稼いだ右腕がいなくなるわけですから、その穴をどう埋めるのか、2025年は編成サイドの力量が問われます。 スポーツ紙のデスクは言います。 「編成サイドの動きは迅速でした。ソフトバンクからFAとなった石川柊太の獲得に乗り出します。下馬評では『巨人優勢』の声も聞こえてきたんですが、石川はロッテを選んだ。すると、楽天と決別し、行き先がなくなったレジェンド・田中将大を獲得します。しかし、田中は2024年シーズンに1試合しか投げていないことは頭に入れておくべきでしょう。つまり、勝ち星を計算してはいけない。『5勝できれば儲けもの』ぐらいの意識でいるのが、ちょうどいいのです」 ドラフトでは1位で関西大の即戦力サウスポー・金丸夢斗を指名し、惜しくも抽選での末に逃しましたが、外れ1位以下は内野手、内野手、内野手。4位で北星学園大学附属高の右腕・石田充冴を指名しますが、素材型の逸材。5位で獲得した東海大学静岡キャンパスの左腕・宮原駿介はリリーフタイプとされ、ドラフトでも「穴埋め」に乗り出した功績はありません。 しかし、前述のデスクはそれこそが編成サイドの狙いであると語るのです。 「ドラフトで敢えて先発型の投手を指名しなかったことは、現有戦力に対する『お前らに期待しているぞ。先発ローテーションを勝ち取れよ』というメッセージに映ります。先発候補として期待されながら、2024年シーズンは今ひとつローテに定着できなかった選手たちは、これに発奮しないわけがありませんよ」 安定感にあふれる赤星優志、大型左腕の横川凱、2023年のドラフト1位で先発への転向が有力視される西舘勇陽、「未完の大器」堀田賢慎ら有資格者は複数います。 彼らにとって絶対的エース・菅野のメジャー挑戦はローテが1枠空く、絶好のチャンス。この千載一遇の好機を奪い取れるか、はたまた逃すのか。 若き投手陣の進化に、ファンの期待が集まりそうです。 [文/構成:ココカラネクスト編集部]