猪苗代ボート事故、被告に逆転無罪 控訴審判決、操縦「過失認定できず」
福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、航行するプレジャーボートで3人を巻き込み死傷させたとして、業務上過失致死傷罪に問われたいわき市の元会社役員佐藤剛被告(47)の控訴審判決公判が16日、仙台高裁で開かれた。渡辺英敬裁判長は「被告の過失を認定することはできない」として禁錮2年とした一審福島地裁判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。 判決理由で渡辺裁判長は、一審判決で「被害者を視認することができた」と県警の実況見分を基にした事実認定について言及。「湖面に浮く人の認識には周辺の対象物や日照条件などが極めて重要で、着衣や頭髪の色などで認識可能な距離には変化が生じる」とした上で、見分はマネキンの頭部が水上に浮いているなど「(事故時と)視認条件が異なる」と指摘、「約223メートル先から被害者を発見できたとする一審判決の判断は認められない」とした。
福島民友新聞社