福島市の飯坂温泉街で逆走車両多発 規制解除で勘違いか 対策の必要性検討 福島北署
「温泉街で一方通行の道路を逆走する車両が多く、不安でならない」。こんな声が福島市の飯坂温泉街で商店を営む事業者から福島民報社に寄せられた。地元に暮らしている記者自身も車を走行中、逆走車と何度か対面して肝を冷やしたことがある。現場を取材し、現状と課題を探った。(飯坂支局・高倉怜) ■1時間で7台 逆走の多発が指摘されている道路は、新十綱橋、福島交通飯坂線飯坂温泉駅に通じている。カーブで見通しが良くない箇所もある。 福島民報社は、この道路で13日の午後、14日の午前に分けて計5時間にわたって車両の通行状況を調査した。その結果、計9台の逆走を確認できた。中でも午前9時からの1時間には7台に達した。主に市外、県外のナンバーの車両だった。 ■目立たない標識 この道路の先に2020(令和2)年7月に一方通行規制が解除された区画がある。1964(昭和39)年ごろから規制されていたが、近年の交通量減に伴う地域の要望で、対面通行ができるぐらい幅員が広く、見通しのよい区間のみの規制が解除された。
規制解除によって同じ道路でも、規制がある区間とない区間に分かれることになった。この際、道路の途中に進入禁止の標識が新たに設置され、右折を促すカラーも施されたが、地域住民からは「標識が目立たないこともあって、勘違いして一方通行を逆走している人もいるのではないか」との声が上がっている。 ■対策の必要性検討 福島北署によると、一方通行規制の一部解除が行われて新たな体制になって以降、車両の逆走に伴う人身事故は起こっていないというが、今後も逆走が横行すれば、いつ重大な事故が起きても不思議はない。 同署は関係機関と連携し、現場の状況を確認した上で、対策の必要性について検討していくとしている。 年末年始の連休中、温泉街には多くの観光客が訪れる。地域住民間でも、交通規制の標識などに十分注意を払い、安心・安全な温泉街の実現につながる必要がある。 (県北版)