8月7日は「立秋」。秋の気配を感じさせる季節の花束を提案【二十四節気とフローリスト】
古来から伝わる「二十四節気」は、春夏秋冬の季節を6つずつに分け、それぞれの期間に季節の変化を表す名前をつけたもの。気忙しい日々だからこそ、暦に合わせて咲く色とりどりの花から活力をチャージしたい。気温は真夏、だけど暦の上では秋。今回は立秋にぴったりの花束を東京・駒場東大前の「waragai」に束ねてもらった 【写真】もらって嬉しいボリューム感のある花束
立秋 8月7日~8月21日
夏の日差しが照りつける中ではじまる立秋。この日から季節の挨拶は残暑見舞いに切り替わる。秋の気配を探すのが困難なほど、暑い日が続く時季だが、空が高くなったと感じたり、夜にひんやりとした風が吹き、ひぐらしの鳴き声が聞こえたら秋のはじまりの合図。「お盆過ぎれば秋の風」。ファッションの世界では秋の新作が並びはじめ、少しずつ次の季節への準備がはじまる。旬の桃やとうもろこしをかじりながら、季節のうつろいを感じたい。 夏に出回りが多い、アンスリウムやノゲイトウ、トルコキキョウ。そこに秋を感じさせる植物、ワレモコウやワイルドベリー、サンキライを取り入れた立秋にぴったりの花束。カクレミノやチョウジュソウのグリーンのグラデーションに、さまざまなピンクを織り混ぜている。13種類の花々を使用しているから、どのフラワーベースに飾るか、想像しながら花束を解く楽しみがある。花好きの大人の女性にこそ贈りたい、愛らしく爽やかなブーケだ。
フローリスト「waragai」
駒場の松見坂の交差点に程近い場所にある、「waragai」。幹線道路脇の白いお店が目印だ。引き戸を開けると、壁一面に花をディスプレイし、茎の長さや、動きをチェックしながら花を選ぶことができる。 「いいグリーンを仕入れることができると、自信を持ってお店を開けられるんです」と店主の藁谷航さん。基本的に花だけのブーケは作らず、束ねるときは、まずはどのグリーンを入れるかを決めて、使用する花を決めるほど大切にしているんだとか。繊細な線のグリーンから、ワイルドフラワー系の肉厚なものまで、さまざまな種類が並ぶ。”実もの”も好きと話す通り、ブーケのアクセントになるような”実もの”が多く並んでいるのもwaragaiの特徴だ。 「派手な花束の注文が入ると、困ってしまいますね(笑)」と話す藁谷さん。ナチュラルな雰囲気の花が並び、染めの花は基本的に仕入れないのだそう。今後は、花屋で花を買うことを楽しんでもらえるような店づくりをしていきたいと話す。 「花束を渡す相手や、インテリアの雰囲気に合わせて花屋を選んでもらうと、花屋に行くことがもっと楽しく、豊かになると思っています」 花束やアレンジメントは、渡す相手の喜ぶ顔を考えると、ボリューム感が増してしまうことも多々あると話す藁谷さん。大切な人へ花束を贈るときにお願いしたい、頼れる花屋だ。 waragai ワラガイ 住所:東京都目黒区駒場1-19-11 定休日:木曜日 営業時間:12:00~20:00 定休日はインスタグラムでお知らせ 参考文献:『花と短歌でめぐる 二十四節気 花のこよみ』株式会社KADOKAWA 『くらしのこよみ 七十二候の料理帖』平凡社 山下景子『二十四節気と七十二候の季節手帖』 成美堂出版 TEXT BY YURI TAKAHASHI