“優勝候補筆頭”のイングランドは58年ぶりのタイトルを獲得できるか。メンバー選考から読み解く指揮官の変化【EURO】
試合をコントロールして勝つ方向性を模索するはず
ボールを持つなら持つで、単調なサッカーになるリスクもあるが、それを打開するために英紙『ガーディアン』によると、現地16日に開催される初戦のセルビア戦ではトレント・アレクサンダー=アーノルドを中盤で起用する予定だという。 実際、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦で見せたゲームメイク能力は圧巻で、いくらサウスゲイトに戦術がないと言っても、これだけのパス能力を持つ選手を中盤に入れれば個の力で解決できるのではないか。 彼だけでは守備面での不安も残るが、2ボランチの相方がデクラン・ライスならある程度カバー可能だ。また最終ラインにはクリスタル・パレスのDFマーク・グエイやアストン・ビラのDFエズリ・コンサらスピードがあり、カバー範囲に自信のある選手が名を連ねる。 マンチェスター・シティのDFジョン・ストーンズはスピードが突出して速いわけではないが、シティでCL優勝に貢献するなど国際経験が豊かな選手だ。足もとだけの選手ではなく、万全なら対人守備も一定のクオリティを出せるようになった。 いずれにしても、これまで中盤にひたすら強度を求めてきたサウスゲイトが、リバプールの技巧派を中盤に起用しようとしていること自体が、彼の決断に変化が生まれたことの何よりもの証拠だ。そしてこの変化は、戦い方の幅を増やすポジティブなものに見える。 本大会では引きこもってのカウンターではなく、試合をコントロールして勝つ方向性を模索するはずだ。 ただしこれらの新しい試みは、グループステージで機能しなければ、あっさり捨てる可能性もある。良くも悪くもサウスゲイトはボールを保持すること自体に強くこだわるタイプではない。 いずれにしてもこれまでのようなカウンター一辺倒のサッカーでは限界があることを察しているだろうし、そこの反省を加味した上で戦うはずだ。 53歳の指揮官が脳内で描いた絵図が、グループステージできちんとピッチ上に描かれたのであれば、決勝トーナメント以降も、未だかつてない最強イングランドを目撃できるかもしれない。 文●内藤秀明
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