「即供養!」でバズった僧侶芸人 「坊主バー」でアドリブの仏教法話 お客さんとの会話がネタのヒント
東京・四谷にある一風変わったバー「坊主バー」。スタッフはみんな現役の僧侶で、その中にお笑いコンビ「ドドん」の石田芳道さんの姿もあります。YouTubeで「敵を倒したら即供養」というルールでゲームをした動画が大バズりした石田さんは、「お笑い」と「僧侶」は相性がとてもいいと語ります。芸へのいい影響とは?(ライター・安倍季実子) 【動画】ゲームの敵を倒したら「即供養!」 動画はこちら <石田芳道(いしだ・ほうどう)さん:愛媛県出身。大学卒業後に1年間の山修行を経て上京し、2009年にマセキ芸能社の養成所へ。相方の安田義孝さんと「ドドん」を結成すると、石田さんが僧侶であることを生かした芸風で活動をスタート。フリーを経て、2010年に浅井企画に所属した。現在はライブを中心に活動するほか、YouTube配信やコンビで参加しているバンド「THE 南無ズ」の活動にも注力している>
現代の駆け込み寺「泣きながらくるお客さんも」
今年、芸歴15年目を迎える「ドドん」。ボケの石田さんは現役の僧侶でもあり、東京・四谷にある「坊主バー」で10年ほどアルバイトをしています。 坊主バーは2000年にオープンしたアットホームなバーで、スタッフはみんな修行を終えて、所属宗派に登録された籍を持つ僧侶です。 仏教用語にちなんだ名前のオリジナルカクテルと、おいしくてヘルシーな精進料理を味わいながら、現役の僧侶と楽しいトークができると人気のバーです。 石田さんが坊主バーでアルバイトをはじめたのは、芸人の仕事がきっかけでした。 「事務所の先輩のキャイ~ンさんのラジオ番組の企画で、坊主バーに潜入レポートしました。最後の決めゼリフ『僕も働いていいですか?』と言ったところ、『いいですよ』と言われたんで、すぐに履歴書を持っていきました」 当時していた居酒屋バイトで、ホール・キッチン・ドリンカー・レジ締めまで、何でもこなしていた石田さん。 「普通の居酒屋よりも、僧侶のいるバーでバイトしている方が芸人として面白いだろうと思った」そうです。 石田さんの考える坊主バーのウリは、「沈んだ気持ちで訪れても、お店を出る頃には清々しい気分になっていること」です。 「お客さんには、好きなだけ話をしてもらって、愚痴を置いて帰ってもらうように心がけています。『まわりにちょうどいい相手がいないから』とライトに相談される人もいれば、泣きながらやってくる人も。その場合は別室に案内して話を聞くこともあります」 「抱えているものを吐きだして気持ちが軽くなり、お客さんが笑顔になって帰っていく姿を見る度に、やっていてよかったと思う」と話します。