センバツで150キロをマークした高橋 スカウトは金子クラスと高評価
ドラフト1位候補として注目の県岐阜商、高橋純平投手(3年)が、センバツ甲子園大会4日目となる24日、対松商学園戦に先発で登場。守備陣のミス絡みからスクイズで1点を失ったが、わずか2安打、11個の三振を奪う完投勝利でベスト16へと駒を進めた。 「エラーしたのでなんとか打ってやろう」と、気合を入れた坂下令穏・二塁手の勝ち越し3ランでリードをもらった4回以降は、パーフェクトピッチング。最速は150キロをマークしたが、カーブ、スライダーを要所に落とす“技”を交えて松商打線を封じ込めた。剛と柔を巧みに使い分けて6回は、三者連続三振。スライダー、カーブと変化球で連続三振にとっておいて3人目は146キロのストレートでバットに空を切らせた。 「力みがあったので、中盤以降は、スライダーが良かったので、スライダー中心のピッチングに変えた。後半はカーブもよく曲がった。自己採点? 50点です。それでも甲子園という、いい場所で自分のピッチングはできたと思います」 もっと速いボールを投げたいか?と問われた高橋は「それは思わない」と返答した。 走者がいなくとも、制球の安定感を最優先としたセットからのピッチングだった。キャプテンでもある高橋の頭の中にあるのは、速さや自己表現ではなく、チームの勝利だった。 ネット裏にはスピードガンを片手に12球団のスカウトがズラリと揃った。阪神は中村勝弘GMまでが陣取ってチェック。「抜群の素材。まとまりがあって、しなやかさがあり、ここ一番では真っ直ぐ、ここは変化球と使い分けのできるピッチング技術も持っている。まるでオリックスの金子みたいだな。しかも、まだ余力があるように感じる。これから下半身が出来上がってくれば、もっと速くなると思う。間違いなく1位で競合するSクラスのピッチャーでしょう」と大絶賛した。 確かに、全力投球せずに生みだした、この日のストレートのキレと変化球の操り方は、オリックスの金子千尋を彷彿させるものがあった。