日本がカンボジアにデジタル分野で支援「ネット犯罪の温床」効果は?
チャーター機2機に135人。なんとも、大規模な犯罪者の本国送還だ。報道によると、ネット犯罪で詐欺を働いたとして、カンボジアの警察が逮捕した中国人容疑者は、この4月までに計680人。逮捕・拘束された全員が、中国に送り返された。 中国の公安当局は、国境を越えたネット犯罪の撲滅を進めている。同時に、オンラインを使った違法な賭博行為、インターネット詐欺の新たな手口や特徴に細心の注意を払うよう、中国の国民に向けて注意を呼び掛けている。 ■未熟な法整備で犯罪の温床に なぜ、インターネットを使った外国人の犯罪集団が、カンボジアに、拠点を置くようになったのか? その理由はいくつかある。一つは、中国とカンボジアが陸続きで国境を接していること。中国人の犯罪集団がカンボジアへ流れ込んだ。そして、国境を越えてカンボジア側に入ったすぐのところに、中国資本が投じたカジノ施設がここ数年で数か所できた。蜜月関係にある中国からカンボジアへの支援の一つと言っていいだろう。 カジノに金を賭けるのはカンボジア人ではなく、主に中国人旅行客だ(中国国内ではカジノはできない)。ただ、違法営業が目立ち始め、カンボジア当局も取り締まりに乗り出した。そこで運営費・維持費のかからないインターネットでの賭博システムが出来上がった。 もう一つの理由は、何よりカンボジアの法整備が未熟な点。そして、インターネット上の管理システムも整っていないから、犯罪の温床になっているという側面がある。 ■日本人の特殊詐欺グループも摘発 組織的詐欺を巡っては、日本でも、カンボジアなど海外を拠点とする特殊詐欺グループが摘発されている。犯罪者は中国人だけではない。昨年9月、カンボジアで日本人による特殊詐欺グループ25人が身柄拘束された。日本の警察庁から「オンライン詐欺をしている日本人グループがプノンペンにいる」という情報を受けたカンボジアの警察がアジトに踏み込み、一網打尽にした。