韓国の尹大統領、強まる辞任圧力 弾劾訴追による罷免も
「非常戒厳」を宣言した韓国の尹錫悦大統領への辞任圧力が強まっている。最大野党「共に民主党」など野党6党が4日、国会に弾劾訴追案を提出。野党側は内乱罪でも告発する方針だ。尹氏を巡っては今後、弾劾訴追による罷免や辞任、続投などの可能性がある。どのシナリオでも次期大統領選を見据えた与野党の主導権争いが激化し、混迷が深まりそうだ。 野党側は弾劾訴追案を6日か7日に採決する意向だ。可決されれば大統領の職務は直ちに停止され、憲法裁判所が180日以内に罷免するかどうかを判断する。 罷免されたり、自ら辞任を表明したりした場合、政界は一気に選挙モードに。新たな大統領が選出されるまでは韓悳洙首相が大統領の職務を代行する見通しだが、内政、外交への影響は避けられない情勢だ。 弾劾訴追が棄却され大統領職にとどまったとしても厳しい政権運営は変わらない。国会は野党が過半数を占めており、政権が進める法案や人事案の成立を阻止するとみられる。 一連の騒動で大統領府の要職に就く側近らも一斉に辞意を表明。孤立はさらに深まった。