<リオ五輪速報>レスリング男子グレコ59kgで太田が銀メダル
リオ五輪のレスリング、グレコローマン男子59kg級の決勝が14日(日本時間15日)現地で行われ、初出場の太田忍(22、ALSOK)が、イスマエル・ボレロモリナ(24、キューバ)に敗れたが、銀メダルを獲得した。今大会、日本の男子は、ヘルシンキ五輪から続いていたメダル獲得が途絶えることを危ぶまれていたが、大会初日に太田がメダルを獲得したことでチームが勢いづくことになった。グレコでの銀メダルは、シドニー五輪の69kg級で永田克彦が獲得して以来、16年ぶり。 太田の決勝相手は、昨年の世界王者。両者は初対戦となった。太田は第1ピリオド、1分17秒に投げを打たれたが、見事な切りかえしでポイントにさせなかった。忍者と呼ばれる身のこなしだ。 太田は、さらに連続フェイントで揺さぶるが、消極姿勢から二度目の口頭注意を受けて、パーテルポジション(不利な体勢)をとらされることになり、リフトから投げを打たれ、さらに返されて6ポイントを失った。0-6のまま、第2ピリオドに入ったが、右腕をうまくコントロールされ、ポイントを奪うことができずに逆にバックをとられ、0-8のテクニカルフォール負けとなった。 会場は、ほとんどが勝ったキューバ人を応援。太田はアウェーの雰囲気の中で戦った。 太田は1回戦でロンドン五輪の金メダリスト、ハミド・ソリアン (イラン)に残り10秒で逆転勝ちで金星を挙げると、2回戦ではアルマト・ケビスパエフ(カザフスタン)に6-0判定勝利。準々決勝でスティグアンドレ・ベルゲ(ノルウェー)を4-0の判定で下すと、準決勝では、北京、ロンドン五輪の55kg級、銀メダリスト、ロフシャン・バイラモフ(アゼルバイジャン)から第1ピリオド2分31秒に「がぶり返し」から抑えこむ逆転のフォール勝ちで、また金星を挙げて決勝進出を果たしていた。 試合後、太田は「悔しい気持ちです。金しか狙っていなかったので。日本に帰ってもう一回しっかり練習します。(連続メダルを途絶えさせないという)プレッシャーは感じなくて緊張もしなかった。ここで金をとる気持ちだった。結果的に伝統をつなぐことができたというひと安心と、銀メダルに終わったことで、まだまだだなあという気持ち。応援にこたえられなくて、銀は残念ですが、この舞台に立てたことは幸せ。決勝で戦えたことを支えてくれ、応援してくれた方々に感謝の気持ちを伝えたい」と、笑顔を見せずに語った。