中国、NFTと分散型アプリケーションの開発促進へ
Web3戦略の構想を練る
中国で、NFTと分散型アプリケーションの開発が促進されることになりそうだ。中国の行政部門である工業情報化部が、12月19日発表した文書にて、web3発展へ向けた戦略を策定する予定だと明かした。 その文書では、「NFTや分散型アプリケーションのような新しいビジネスモデルの探求を奨励し、革新的なアプリケーションを促進することで、Web3のためのデジタルエコシステムを構築し、ガバナンスや産業などの主要分野に重点を置く」と述べられている。 具体的には、企業・大学・研究機関らとの協力による技術研究の強化や、国際交流によるWeb3に関する国際的動向の把握、優秀な人材の育成、国内におけるブロックチェーン技術の宣伝・促進の強化などを目指すとのことだ。 また同部門は、Web3デジタルIDの認証と管理を探求するため、分散デジタルIDに関連する試験運用を開始する予定だと伝えている。 中国では、国家支援のもと開発されている「ブロックチェーンサービスネットワーク(BSN)」が、ブロックチェーンベースの身元確認情報(ID)検証プラットフォーム「実名DID(RealDID)」を立ち上げたことが12月9日発表されている。 BSNは発表にて、「実名DID」が世界初の国家レベルの実名分散型IDシステムだと述べた。なお具体的な提供時期は不明だ。 「実名DID(RealDID)」により中国国民はDIDアドレスと秘密鍵を使用して、各種ウェブサイトに匿名で登録・ログインが可能となる。また同サービスでは、ビジネスに関するデータやトランザクションが個人情報と切り離された状態であることも保証されるとのことだ。 中国は、暗号資産に関連する活動を「違法」と位置付け、2021年に暗号資産の使用を禁止しているが、ブロックチェーン技術は受け入れており、推進する動きがある。 今年2月には、中国の科学技術省が「国家ブロックチェーン技術革新センター」の設立を承認。ブロックチェーンに関する技術上の革新的進歩を目指す動きが報道されていた。
髙橋知里(幻冬舎 あたらしい経済)