【パリ五輪】厳しい代表選考会勝ち抜いた韓国の神弓たち、パリで「不敗神話」射抜いた
パリ五輪でアーチェリー5種目を総なめ
韓国のアーチェリーはやはり強かった。2024年パリ五輪で全種目(5個)を総なめし、金メダル5個、銀メダル1個、銅メダル1個の計7個のメダルを獲得した。 オリンピックのアーチェリー史上最高の成績だ。 トップバッターは女子団体だった。イム・シヒョン(韓国体育大学)、ナム・スヒョン(順天市庁)、チョン・フニョン(仁川市庁)で構成された韓国代表チームは、中国をシュートオフの末に制し、10連覇の偉業を成し遂げた。アーチェリー女子代表チームは、団体戦が始まった1988年ソウル大会の時から今大会まで、トップの座を譲らなかった。今回の女子代表チームはいずれも五輪に初めて出場した選手であるため、経験不足という懸念の声もあがったが、杞憂に過ぎなかった。 女子代表チームの活躍に後押しされ、男子代表チームも力を発揮した。キム・ウジン(清州市庁)、イ・ウソク(コーロン)、キム・ジェドク(醴泉郡庁)は圧倒的な力を披露し、男子アーチェリー団体戦3連覇に成功した。キム・ウジンは2016年リオデジャネイロ大会ではク・ボンチャン(現代製鉄)、イ・スンユン(光州南区庁)とともに、2021年東京大会ではオ・ジンヒョク(現代製鉄)、キム・ジェドクとチームを組んで金メダルを獲得した。イ・ウソクは代表チームに抜擢されたにもかかわらず、コロナ禍で東京大会が1年延期されたため、五輪に出場できなかった無念を今大会で晴らした。 キム・ウジンとイム・シヒョンは混合団体の金メダルも獲得した。混合団体は東京大会から導入された種目だ。当時、アン・サンとキム・ジェドクのペアが初代優勝者になった。 女子個人戦の決勝は、韓国選手同士の対決だった。エースのイム・シヒョンと最年少のナム・スヒョンが対決した。金メダルと銀メダルをすでに確保した状況で繰り広げた試合で、イム・シヒョンがエースらしい活躍で大会3冠王に輝いた。韓国女子アーチェリーは、1984年ロサンゼルス大会でソ・ヒャンスンが初めて金メダルを取って以来、2008年北京大会(中国の張娟娟優勝)を除き、個人戦の金メダルを独占してきた。団体(混合を含む)と個人を合わせると、最近行われた23回のオリンピックのアーチェリー種目で22回も表彰台の最も高いところに上った。韓国女子アーチェリーが「世界最強」と呼ばれる理由だ。 フィナーレはキム・ウジンとイ・ウソクが飾った。キム・ウジンが金メダルを獲得したことで、2016年リオ大会のク・ボンチャン以来8年ぶりにトップの座に返り咲いた。キム・ウジンとの準決勝で敗れたイ・ウソクは3位決定戦で勝利し銅メダルを獲得した。韓国男子アーチェリー選手2人が五輪個人戦の表彰台に一緒に上がったのは今回が初めて。それだけ今回の代表チームの戦力が強くなったことを意味する。 韓国アーチェリーは厳しい代表選考会を行う。前大会の金メダリストも例外なく選抜戦に参加し、同じ位置で戦わなければならない。東京大会3冠王のアン・サンさえ選抜戦を突破できず、今大会に出場できなかった。過去の成績と関係なく、現在の実力だけで評価されることで、40年近く世界最強の地位を守ることができた。公正さと透明さが現在のアーチェリー代表チームを作ったと言える。 五輪に備えたトレーニングシステムもアーチェリーの金メダル獲得の土台になった。韓国アーチェリーは大会前から現地競技場をそのまま再現した訓練場を鎮川(チンチョン)選手村に設け、あらかじめ現地適応力を高めてきた。大韓アーチェリー協会は、今回もパリ五輪競技場の実際の鳥瞰図を100%反映した練習場を選手村に設けた。場内アナウンサーのコメント、観客の歓声、騒音などもフランス語と英語で再現した。緊張感の高い状況でも落ち着いて実力が発揮できた理由だ。スポンサーである現代自動車グループが開発した人工知能(AI)アーチェリーロボットとの訓練も効果があった。イム・シヒョンは「アーチェリーロボットが100%10点を取り続けるという事実に圧迫感を感じた」とし、「実戦で感じた緊張感だった」と語った。 パリ/チャン・ピルス記者、キム・ヤンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )