ロシアW杯へ香川真司の覚悟「誇りと責任を持ってやる」
指揮官がピーター・ボスからペーター・シュテーガーに代わった昨年12月を境に、ドルトムントでも先発に復帰。年が明けたヘルタ・ベルリン戦、フライブルク戦で連続ゴールを決めるなど、状態がさらに上がってきた直後に、まさに好事魔多し、と言うべきけがを左足首に負った。 すぐに復帰できる、という当初の見込みはどんどん先送りになり、今月12日のブンデスリーガ最終節の後半29分からピッチに立っただけにとどまった。それでも、香川の実績に期待を込めてガーナ戦へ招集した西野監督は、18日の記者会見でこう言及している。 「香川については彼の選手生命というか、本当にデリケートに考えないといけない。彼の状態を期待しながら、このキャンプで最終的に確認したいということ。間違いなく代えの利かないプレースタイルを持った選手ですから、トップフォームに戻ることを期待したい」 合宿初日も西野監督に左足首の状態を聞かれ、笑顔で問題ないと返す場面もあった。重要と位置づけてきた1年間はけがの連鎖に見舞われたが、それでも心は折れない。たとえ選手生命がかかってくるとしても、ガーナ戦翌日に待つ、ロシア大会に臨むメンバー発表が香川を奮い立たせる。 「いまは『香川真司』として、誇りと責任感をもってやるだけだと思っています」 多少のブランクでは技術は錆びつかない。自分自身へのふがいなさと引き換えに強い心も手にした。あとは体のコンディションを、残された時間と戦いながら取り戻していくだけ。ワールドカップで喫した悔しさは、ワールドカップでしか晴らせない。だからこそ、香川は己を信じて前を向き続ける。 (文責・藤江直人/スポーツライター)