ロシアW杯へ香川真司の覚悟「誇りと責任を持ってやる」
日本代表が6大会連続6度目のワールドカップ出場を決めた直後から、MF香川真司(ボルシア・ドルトムント)はある言葉を、強く意識しながら繰り返すようになった。 それは「集大成」――。額面通りに受け取れば、29歳で迎えるロシア大会を、香川自身にとっては2度にして最後のワールドカップとして位置づけていることになる。 「もちろん(ロシア大会の)次は正直、わからないので」 集大成に込めた真意を聞くと、こんな言葉が返ってきた。ニュージーランド、ハイチ両代表と対戦した昨年10月のこと。表情を引き締めながら、香川はさらにこう続けた。 「年齢を含めていろいろなことを経験して、感じたこともたくさんある。それらを踏まえて来年(のロシア大会)があるわけで、自分の集大成となるワールドカップだと思っているし、どのように迎えるかという意味でも、個人的には徹底してやっていきたい。その次があるとか、変なことは考えたくない」 しかし、ブラジル、ベルギー両代表と対峙した11月の欧州遠征で香川は選外となった。コンディションが十分ではないと、ヴァイッド・ハリルホジッチ前監督に判断された。復帰が確実視されていた今年3月のベルギー遠征も、2月上旬に負った左足首のけがが長引いて再び選外となった。 直後の4月7日にハリルホジッチ前監督が電撃的に解任され、日本サッカー協会(JFA)の西野朗技術委員長が後任に就任。新体制のもとで初めて選出された、30日のガーナ代表との壮行試合(日産スタジアム)に臨む代表メンバー27人のなかに香川は名前を連ねた。 迎えた21日に、ガーナ戦へ向けた合宿がスタートした。千葉県内のグラウンドに集まったのは、先週末までにシーズンを終えて帰国していた海外組の10人。けがで別メニューとなったFW岡崎慎司(レスター・シティ)以外の9人は、コンディション調整を目的としたランニングやボール回しを中心としたメニューを、約1時間半にわたって消化した。 約7ヵ月ぶりに日本代表の雰囲気を味わい、気心の知れた仲間たちと同じ時間を共有した。思い焦がれた場所へ戻ってきた胸中を問われた香川は、「もちろん」と首を縦に振りながらこう続けた。 「そこ(ロシア大会)へ目標を置いてやっていたので。特にこの1年は。しっかりやるだけだと思っていたし、久しぶりではあったけど、いい緊張感をもちながらスタートが切れました」